介護施設・有料老人ホームの看護師を辞めたい…その理由と対処法は？安全な退職と転職方法を解説【2025年最新版】

はじめに

有料老人ホームやサ高住での看護は、医療行為が少ないのに責任は重いというギャップが起きがちです。オンコールや夜勤、看取り対応、人手不足。限界を超える前に、感情ではなく手順で抜け道を作ることが安全です。

本記事では、原因の見極めから職場内の改善、辞め時の客観基準、退職の伝え方、逆算スケジュール、入居者別の引き継ぎ、制度とお金の整理、次の転職先の選び方まで、実務目線でまとめます。

僕、ひろは会社員時代にブラック環境で消耗し、社会保険給付金サポートを活用して失業保険を通常より長く受給。失業手当を受けながら開業届を出して個人事業主となり、再就職手当で約200万円を得た実体験があります。制度面と実務の両方から安心の導線を提案できます。

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有料老人ホームで看護師が辞めたいと感じやすい理由

項目	具体例	影響	早見サイン
医療行為の少なさと責任の重さ	与薬、記録、感染対策、急変初期対応が看護に集中	スキル停滞感、評価の不透明感	仕事終わりの無力感、学びがない焦り
オンコール・夜間対応	呼出頻度が高い、判断負荷が重い、睡眠分断	慢性疲労、注意力低下	夜間の動悸、通勤時の不安
介護×看護の境界が曖昧	生活介助比率が上昇、役割の押し付け	時間不足、ミス増加	申し送りの齟齬、責任の押し付け
人手不足と記録量	日勤ワンオペ、電子と紙の二重管理	残業増、ヒヤリ増	記録が翌日に持ち越し
家族・入居者対応	医療説明、看取りのコミュニケーション	心理的負担、泣き寝入り	帰宅後も会話が頭から離れない

辞めたい理由は日時、場面、負荷度、体調影響を短文で記録。後の改善交渉、退職理由の言語化、引き継ぎ品質の向上に直結。

NG行動
SNSで不満を投稿。在籍中の発信はトラブルを招きやすい。

まず72時間：心身の応急処置と“記録化”

1. 体調リセット
   睡眠、水分、栄養、軽い散歩。判断は一晩置く。
2. 事実の記録
   呼出ログ、急変・ヒヤリ、与薬のWチェック状況、申し送りの齟齬、家族対応の要点を日付付きで保存。
3. 安全確保
   夜勤導線、ナースコール、インカムの確認。暴言・ハラスメントは日時と発言をそのままメモ。
4. 相談先の把握
   施設長、看護主任、本社看護部、嘱託医、産業保健、労働相談窓口。連絡先を手元に控える。

証跡は社外のクラウドへ。個人情報や医療文書の持ち出しは禁止。

職場内でできる改善アクション（3ステップ）

ステップA：境界線の再確認

• 看護判断、介護ケア、生活相談の線引きを文書化。
• オンコール時の指示系統（誰に、いつ、何を）を明記。

ステップB：ミスを減らす仕組み化

• 与薬Wチェックの固定化。
• 夜間の初動フローを可視化。気道、循環、意識の順で評価。
• 申し送りテンプレを共通化。

ステップC：業務の再配分を交渉

• 入浴日やイベント日のヘルプ計画、看取りのシフト体制、家族説明の事前合意をショートMTG資料で提案。

改善の提案は1枚資料で要点だけ。代替案と実施期限を添えると通りやすい。

それでも無理なら辞め時の客観基準（2つ以上で準備へ）

• 健康被害が継続。睡眠障害、通勤恐怖、医師の受診勧告。
• 相談や報告を上げても改善がゼロ。報復を示唆する言動。
• 夜勤ワンオペかつ医療依存度が高い。救急連絡フローが曖昧。
• 学びがない、評価が不透明。責任過重の常態化。

客観基準を満たしたら、退職の工程に移行。自分を責めない。

退職のベストタイミングと逆算スケジュール（1〜2か月）

期間	やること	成果物	注意点
最終出勤日−8〜6週	退職意思を表明、最終出勤日を仮置き、人事連絡	面談メモ	結論、理由、期日、引き継ぎの順で簡潔に
最終出勤日−6〜4週	入居者別の引き継ぎ台帳を作成、権限・物品棚卸し	台帳、棚卸し表	台帳は共通フォーマットで
最終出勤日−3〜2週	家族、ケアマネ、嘱託医など関係者へ周知	周知リスト	周知は施設長経由で時系列に
最終出勤日−1週〜当日	貸与物返却、最終勤怠、諸手当、証明書の確認	受領記録	退職後の連絡窓口を一本化

NG行動
口頭だけの約束。メールや書面で証跡を残す。

角を立てない伝え方のテンプレ

基本フレーム

結論 → 一般化した理由（健康、家庭、キャリアの方向性） → 期日 → 引き継ぎ意思

対面の言い方

結論からお伝えします。退職を希望しています。健康と家庭の事情により現体制での継続が難しいためです。最終出勤は◯月◯日を想定しています。入居者別の引き継ぎ資料を作成します。

メール例（証跡確保）

件名：退職のご相談（施設名／看護師／氏名）
本文：◯◯施設 看護主任 ◯◯様。◯月末付で退職を希望いたします。最終出勤は◯月◯日を想定しています。影響最小化のため、入居者別の引き継ぎ台帳を整え共有します。ご確認をお願いいたします。

言い換えリスト

• 夜勤ワンオペが危険すぎる → 安全面の観点から現体制での継続が困難
• 人手不足がひどい → 業務負荷が高く体調への影響が大きい
• 明日で辞めます → ◯月◯日を最終にご相談

結論は冒頭と締めで二度伝える。期日を軸に会話を収束させる。

引き継ぎ完全チェック

台帳フォーマット（A4一枚／入居者別）

• 基本情報（氏名、ADL、既往歴、主治医・嘱託医）
• 与薬（定期、頓用、禁忌、DI注意）
• 処置（創傷、褥瘡スケール、交換頻度）
• 感染対策（区分、標準／接触／飛沫、隔離ルール）
• 誤嚥・転倒リスク（食形態、嚥下訓練、歩行補助）
• バイタル逸脱時の初動（回診、救急要請、家族連絡の順）
• 看取り方針（ACP、DNAR、家族合意）
• 物品・薬品（在庫、発注先、麻薬帳簿）
• 記録・申し送り（電子／紙、締め時間、監査観点）
• 家族・関係機関（ケアマネ、訪問診療、往診時間帯、連絡先）

個人情報の持ち出しは禁止。台帳の保管場所は施設の規程に合わせる。

退職前に確認する制度・お金・手続き

区分	確認事項	補足
有給	残日数、計画付与、買い取りの有無	申請は早めに、引き継ぎ案を添付
手当	夜勤、オンコール、資格、通勤	未払いの有無を最終勤怠で確認
社会保険	任意継続か配偶者扶養、保険証返却	期限の失念に注意
年金	種別切替、免除、追納	役所で順番どおりに手続き
税	住民税の普通／特別徴収、年末調整	退職月で取り扱いが変化
確定拠出年金等	移管、脱退の期限	放置で手数料が発生
雇用保険	離職票、各種手当の要件	失業手当の受給条件を確認
貸与物	PHS、ICカード、鍵、白衣、端末、マニュアル	返却の受領記録を残す
証明書	源泉徴収票、退職証明、在職証明、資格者証の住所変更	受け取り方法を確定

制度は一般論。詳細は就業規則、雇用契約、人事や本社看護部で個別確認。

社会保険給付金サポートや失業手当サポートの相談で生活不安を減らすと、退職判断が落ち着く。

次のキャリアプラン：適性別の転職先と職務経歴書の書き方

適性別の候補

• 救急や処置を磨きたい
  急性期病棟、ER、透析、手術室
• 日勤中心、在宅志向
  訪問看護、外来クリニック、健診センター
• ケアと連携が得意
  老健、地域包括ケア病棟、デイ併設クリニック
• 働き方の条件を先に3つだけ決める
  常勤か非常勤、オンコール有無、土日休など

職務経歴書の軸

成果（数値） → プロセス → 再現性。誤薬ゼロ継続◯ヶ月、褥瘡発生率◯％から◯％に改善、嘔吐・誤嚥の初期対応手順を整備、など具体の指標を入れる。

面接での見極め質問

• 1on1の頻度と評価指標は
• 夜勤配置、人員体制、オンコールの回数目安
• 看取り時の支援体制と家族説明のルール
• 前任者の退職理由、平均勤続年数

求人票のキーワードに注意。アットホームや家族的が強調されすぎる場合、境界が曖昧な可能性がある。

どうしても言えない、危険を感じる場合：退職代行という選択肢

適するケース

強い引き止め、ハラスメント、連絡が怖い、夜勤明けで対話が困難。

選び方

料金、即日可否、対応範囲、返金規定、弁護士提携、受付時間、実績。

使い方

退職希望日、貸与物、未精算経費、緊急連絡先を事前にメモ。書面やメールで証跡を残す。私物回収や返却は追跡付きで。

まずは自力の安全ルート（本記事のテンプレと工程表）を試す。危険が強い場合は最終手段として冷静に選択。

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【体験談】有料老人ホームの看護師を辞めたいと感じた3つのケース

常勤・夜勤あり

オンコールが週3回に増え、睡眠障害が悪化。有料老人ホームの看護師を辞めたいと思い、呼出ログや急変対応の記録を整理しました。上長に退職日を伝えましたが先送りが続き、退職代行を利用。入居者ごとの引き継ぎ台帳を作成し、貸与物はチェックリストで返却。当日は代行が窓口となり、穏やかに最終勤怠と証明書を受領。翌月には外来クリニックへ転職し、日勤のみで体調が安定しました。

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非常勤・日勤

介護業務との線引きが曖昧で負担が増し、退職を考えましたが、境界線の再設計と申し送りテンプレを提案。3週間の取り組みで改善が見られ、残留を選択しました。与薬Wチェックの徹底で誤薬ゼロが継続し、「辞めることだけが解決ではない」と感じました。

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看取り多め施設

家族説明の負荷と孤独感が重なり、限界を感じていました。記録をまとめて本社に相談しましたが改善されず、報復を示唆する言動もありました。安全を最優先に退職代行を依頼し、返却物は受領記録を残して対応。家族への連絡は施設長経由に限定しました。2週間で離任を完了し、訪問看護に転職。一次対応や多職種連携の経験が評価され、新しい環境で再スタートを切りました。

よくある質問（FAQ）

看取りや急変が怖くて眠れない

標準手順を可視化し、当直時の支援体制を文書で確認。改善不能なら退職を検討。

有老から病院へ戻るのは不利か

安全管理、連携、記録の精度は強い武器。数値と事例で再現性を示す。

有給は使えるか

規程次第。早めの申請と引き継ぎ案の提示で通りやすい。

家族や入居者からのクレームが不安

事実と感情を分け、経過、説明、同意を記録に残す。申し送りで共有。

夜勤なしで働ける場所は

訪問看護、外来、健診センター、企業保健など。条件を三つ決めて探す。

結論 働き方は設計で変わる。期日と記録で安全に抜ける

実行チェックリスト

• 呼出ログ、ヒヤリ、申し送り齟齬の記録を開始
• 退職日の仮置きと面談アポを確保
• 入居者別の引き継ぎ台帳をA4一枚で作成
• 最終出勤日−8週から当日までの工程表を整備
• 有給、手当、社会保険、税、年金、雇用保険、貸与物、証明書を確認
• 職務経歴書は成果→プロセス→再現性で作成
• 自力が難しい場合は退職代行を検討