はじめに
退職代行の流れが見えないまま依頼すると、書類の遅延や有給休暇の未消化など、あとから悩みが増える状況になりがちです。
辞めると決めたら退職ナビを運営するひろは、会社員時代にブラック会社で心身を消耗。社会保険給付金サポートを使って失業保険を通常より長く受給し、開業届を出して個人事業主へ転身。再就職手当として約200万円を得た経験から、制度と段取りに基づいた安全な進め方を案内できます。
・退職代行の流れと所要日数の目安
・依頼前に準備する情報と書類
・民間業者・労働組合・弁護士の違いと選び方
・よくあるトラブルと回避策、NG行動
・退職後の手続きと次の一歩

ひろ、僕もう出社がしんどい…。退職代行の流れって難しいのかな?



心配いらない。難しくなんてないよ。順番どおりに進めればスムーズにいける。今日は流れとコツを一気に整理していこう。



流れとコツがわかるなら、僕でも動けそうだ。
退職代行とは?簡単なおさらい
退職代行は依頼者の退職意思を会社へ伝えるサービス。交渉権の有無で三つに分類。
・民間業者:退職の意思を伝える連絡代行が中心。交渉は不可
・労働組合:有給休暇や退職金の交渉が可能
・弁護士:未払い賃金や損害賠償など法的交渉に対応
・民法では退職の申し出から2週間で労働契約終了が原則。即日で出社不要になるケースは多いが、退職日そのものは原則に従う流れ
・交渉を伴う案件は、労働組合または弁護士型の選択が安全
退職代行の流れ【全体の概要】
手順 | 内容 | 主なやり取り | 所要時間の目安 |
---|---|---|---|
Step1 | サービス選定・問い合わせ | LINE/メール/電話 | 当日〜1日 |
Step2 | 相談・契約・料金支払い | 申込書、同意、支払い | 即日〜1日 |
Step3 | 必要情報の共有 | 勤務先情報、退職理由、退職日候補、送付先 | 即日 |
Step4 | 代行が会社へ連絡 | 退職意思の伝達、出社停止の相談 | 即日〜翌営業日 |
Step5 | 書類の受領・返却 | 退職届、離職票、源泉徴収票、貸与品返却 | 数日〜2週間 |
Step6 | 退職完了・手続き | 雇用保険、保険証、年金、転職活動 | 最短2週間〜 |
・即日退職は「即日出社不要」になる意味で使われる場面が多い。退職日そのものは2週間前ルールが軸
・書類の送付先、私物と貸与品の扱い、連絡窓口の一本化を初回で明確化
各ステップの詳細とポイント
やること
・自分の状況を整理(未払い、パワハラ、損害賠償の恐れ、引き止めの強さ)
・民間業者・労働組合・弁護士のどれが適切か判断
・即日対応の可否、返信速度、実績、料金の総額を確認
・交渉の必要があるかを最初に判断
・特商法表記、運営会社情報、返金条件の明示を確認
・相場より極端に安い料金だけで即決
・「弁護士監修」と「弁護士対応」を混同
やること
・LINEやメールで相談。質問リストを用意
・契約書と同意事項を確認し、料金を支払い
・時間外対応や書面作成費などの追加条件を事前確認
・連絡は文字で残す。電話は補助
提出する情報の例
・氏名、生年月日、連絡先、住所
・会社名、所在地、部署名、上司名、代表電話
・雇用形態、入社日、就業規則の有無
・退職理由、退職希望日(候補を2つ)、最終出社日
・書類の送付先(離職票、源泉徴収票、健康保険関係)
・有給休暇の残日数、貸与品(社員証、PC、制服、鍵)
・連絡方法の希望(電話不可、メール限定など)
・退職届の様式有無を確認。自署・押印の要否も確認
・貸与品返却と私物回収の方法(郵送、着払い、立入不要)を指定
流れ
・代行が退職意思を会社へ即日連絡
・出社停止、連絡窓口の一本化、書類郵送のお願いを同時に調整
・有給休暇の消化や最終給与の支払い日を確認(交渉は権限の範囲内)
・無断欠勤と誤解されないよう、時刻と文面の記録を保全
・家族や同僚への連絡自粛も文面に明記
主な書類
・退職届(会社指定様式があれば使用)
・離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証
・社会保険の資格喪失連絡、年金の手続き案内
やり取りのコツ
・送付先の郵便番号、宛名、電話番号を明記
・発送記録を残す。到着日もメモ
・貸与品はチェックリスト同梱。写真記録で現物確認
やること
・ハローワークで雇用保険の手続き
・健康保険、年金、住民税の手続き
・転職活動または開業準備。証明書類はファイル管理
・社会保険給付金サポートと失業手当サポートを活用すると生活設計が安定
・再就職手当を視野に入れる場合、就職日程の管理が重要
退職代行をスムーズに進めるための準備リスト
項目 | 確認方法 | 備考 |
---|---|---|
就業規則・雇用契約 | 社内ポータル/紙面 | 退職手続き、有給休暇、退職金規程 |
有給休暇残日数 | 勤怠システム/給与明細 | 失効日を確認 |
退職日候補を2つ | カレンダーで逆算 | 民法の2週間を意識 |
書類送付先 | 住所/電話/受取人 | 郵便受けの表札表記も確認 |
貸与品リスト | 現物と一覧表 | 社員証、PC、鍵、制服 |
私物リスト | ロッカー/デスク | 回収方法を指定 |
勤怠・指示の証拠 | 画面キャプチャ/メール保存 | 未払い賃金・ハラスメント対策 |
退職届の準備 | 署名・日付 | 会社指定があれば優先 |
・準備は前日夜に一式封筒へ。写真で控えを残す
・やり取りの窓口は代行へ一本化。会社へ直接連絡しない
・感情的なSNS投稿
・社内データの私的持ち出しや消去
・電話だけで進め、記録を残さない
民間業者・労働組合・弁護士の違いによる流れの違い
種別 | 交渉範囲 | 即日対応 | 典型的な流れの違い | 向いているケース |
---|---|---|---|---|
民間業者 | 交渉不可 | ほぼ可 | 連絡代行中心。書面は依頼者主体 | 法的争点が薄く、静かに離脱したい |
労働組合 | 有給・退職金等の交渉可 | 可 | 有給消化や引き止め対応を交渉 | 引き止めが強い、消化を重視 |
弁護士 | 法的交渉全般 | 可 | 内容証明や請求対応を実施 | 未払い、パワハラ、損害賠償の恐れ |
・「交渉」や「請求」が発生するなら、最初から弁護士または労働組合を選択



僕の会社、有給休暇の話を出すと一気に空気がピリつくんだよ…。



そういう会社なら、最初から交渉に強い労働組合型か弁護士型の代行を選んだ方がいい。交渉力込みで流れを組めば、時間も短縮できるから安心だよ。



なるほど…選び方でスピードまで変わるんだな。
よくあるトラブルと回避方法
事象 | 原因 | 回避策 |
---|---|---|
無断欠勤扱い | 連絡記録がない | メールと書面で時刻入りの通知を保存 |
書類が届かない | 送付先の不備/社内滞留 | 送付先の再確認、内容証明で催告 |
有給休暇が通らない | 権限の問題 | 労働組合/弁護士型で交渉 |
損害賠償を示唆 | 引き継ぎ不備、データ紛失 | 権限返却と作業メモ提出、弁護士相談 |
家族へ連絡 | 窓口の不統一 | 家族連絡の自粛を文面で明記し一本化 |
・通知は「誰に、いつ、何を」まで文字で残す
・貸与品返却はチェックリスト同梱で誤解防止
【体験談】退職代行の流れに沿って進めた3例
体験談1|物流会社の夜勤、限界からの脱出(24歳・契約社員)
深夜シフトが続き体調を崩していた私は、民間業者の退職代行に依頼しました。Step3で必要な情報をまとめて共有し、Step4で会社へ即日連絡。翌日から出社不要となり、貸与品は着払いで返送しました。数日後には離職票も届き、ハローワークで雇用保険の手続きもスムーズに完了。流れが見える化されたことで、不安が大きく減ったのを実感しました。
体験談2|制作会社での引き止めに組合型で対応(32歳・正社員)
退職の意思を伝えると上司から強い引き止めに遭い、不安を抱えながら労働組合型の退職代行に切り替えました。有給休暇の消化や書面でのやり取りを交渉してもらい、Step5で退職届を郵送。貸与PCは写真記録を残して返却しました。最終給与と有給分もきちんと支払われ、結果的に円満に近い形で退職できました。
体験談3|パワハラと未払いで弁護士型を選択(41歳・営業)
毎日のパワハラと歩合給の未払いに耐えかね、弁護士型の退職代行を選びました。内容証明で通知を送り、勤怠記録や指示メールを証拠として提出。退職の流れと並行して未払い賃金の請求を進め、最終的には和解が成立しました。退職後は社会保険給付金サポートも利用し、生活を安定化させることができました。
よくある質問(FAQ)
- 退職代行の流れはどれくらいの期間が必要ですか
-
出社停止は即日が多い一方、退職日の確定は原則2週間後が軸。書類のやり取りは数日〜2週間が目安。
- 会社から直接連絡が来るのが不安です
-
連絡窓口の一本化を文面で明記すれば、会社は代行経由での対応に切り替える流れ。家族連絡の自粛も合わせて記載。
- 有給休暇の消化は可能ですか
-
会社の運用や就業規則に左右される。交渉が必要な場合は労働組合または弁護士型が安全。
- 即日退職は違法になりませんか
-
即日出社不要の運用は可能な場面が多い。退職日そのものは2週間ルールに沿って設定する運びが安心。
- 退職代行の費用はどのくらいですか
-
民間業者で2万〜3万円台、労働組合で2万後半〜3万円台、弁護士は5万円〜案件次第。追加費用の条件に注意。
おすすめ退職代行サービス25選


退職代行サービスは数多くありますが、ここでは料金、交渉力、追加サポート(転職支援・給付金サポートなど)を総合的に比較し、特におすすめの28社を紹介します。ご自分の雇用形態や状況に合わせて選んでみてください。
退職代行モームリ
- 運営:民間企業+労働組合提携
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト12,000円
- 特徴:圧倒的なシェア率を誇る大手会社。YouTubeに実例動画を公開しており、どんなやり取りが行われるのかイメージしやすいです。弁護士監修で違法リスクを避けながら、団体交渉も視野に入る組合提携が強みです。
- 公式サイト
退職代行Jobs
- 運営:民間企業(労働組合と提携)
- 料金:27,000円前後
- 特徴:労働組合と提携しているため交渉が可能で、スピード退職にも強いです。後払いにも対応しているので、手元にお金がない方でも始めやすいです。顧問弁護士が監修しており違法リスクを回避しつつ、引越しや転職支援などのアフターフォローも充実しています。
- 公式サイト
退職代行OITOMA(オイトマ)
- 運営:労働組合
- 料金:24,000円(追加料金なし)
- 特徴:即日退職OKで、会社との交渉も可能です。返金保証制度があるので、失敗リスクを気にせず依頼できます。有給休暇や未払い残業代の問題も相談しやすいです。
- 公式サイト
弁護士法人みやび
- 運営:弁護士法人
- 料金:55,000円~
- 特徴:未払い給料や残業代の回収、損害賠償請求の対応など、法的に複雑なケースでも安心です。費用は高めですが、トラブルを100%回避したい場合や確実に権利を守りたい場合におすすめです。
- 公式サイト
退職代行ニコイチ
- 運営:民間企業
- 料金:27,000円
- 特徴:創業18年以上の老舗退職代行で、実績が非常に豊富です。後払い決済や転職支援などもあり、フォローが手厚いです。会社との交渉はできませんが、急ぎでトラブルが少なそうな人に合っています。
- 公式サイト
女性の退職代行>
- 運営:労働組合(toNEXTユニオン)
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:女性向けに特化した退職代行で、女性スタッフが丁寧に対応してくれます。職場でのセクハラやパワハラに苦しんでいる方にも安心して利用してほしいという姿勢が感じられます。
- 公式サイト
男の退職代行
- 運営:労働組合
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:「男性専用」と銘打ち、男社会特有の人間関係や体育会系の理不尽な職場文化に苦しむ方の駆け込み寺として人気です。担当スタッフが男性寄りの目線で親身にサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行TORIKESHI(トリケシ)
- 運営:労働組合(日本労働産業ユニオン)
- 料金:25,000円
- 特徴:LINEだけで相談から退職完了までやり取りが完結します。深夜でも連絡できるので、忙しい方には助かります。有給消化の交渉や離職票の手続きも任せやすいです。
- 公式サイト
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
ABAYO
- 運営:民間企業
- 料金:正社員19,800円 / アルバイト11,000円
- 特徴:低価格と退職できなかった場合の全額返金保証が魅力。正社員、パート・アルバイト、派遣社員・契約社員で料金が異なり、転職支援も提供しています。
- 公式サイト
弁護士ビーノ
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
弁護士法人ガイア
退職代行サービスのretry(リトライ)
- 運営:行政書士事務所
- 料金:アルバイト20,000円 / 正社員30,000円
- 特徴:交渉はできませんが、行政書士ならではの書類作成サポートが強みです。全額返金保証があるので「退職できなかったらどうしよう」という不安を軽減できます。
- 公式サイト
辞スル
- 運営:民間企業
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト18,000円
- 特徴:低価格が魅力で、正社員とパート・アルバイトで料金が異なります。労働組合との連携や弁護士監修がついている点も安心です。
- 公式サイト
青山北町法律事務所
ほっとライン
退職代行ゼロユニオン
- 運営:労働組合
- 料金:正社員23,980円 / アルバイト18,700円
- 特徴:新卒社員の割引がある点が特徴です。退職が完了するまで追加料金はかからず、有休や残業代の交渉にも対応できます。書類送付などもサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行プラスサービス
- 運営:民間企業
- 料金:正社員21,780円 / アルバイト16,280円
- 特徴:女性スタッフだけで運営されているため、女性が相談しやすいと評判です。交渉はできませんが、全額返金保証や転職サポートなどが手厚いです。
- 公式サイト
ヤメドキ
- 運営:民間企業
- 料金:24,000円
- 特徴:後払いシステムを特徴としています 。
- 公式サイト
フォーゲル綜合法律事務所
- 運営:弁護士
- 料金:33,000円~
- 特徴:有名弁護士が在籍しており、公務員やナイトワークでも対応可能です。会社側が損害賠償を請求してきても、法的にきちんと対処してくれます。
- 公式サイト
退職代行あおぞらユニオン
- 運営:労働組合(あおぞらユニオン)
- 料金:12,000円~(詳細は要問い合わせ)
- 特徴:弁護士や社労士の資格を持つメンバーが複数在籍し、有給休暇や傷病手当金の手続きなどに詳しいです。低料金で団体交渉権が得られる点も評価が高いです。
- 公式サイト
退職代行相談所(司法書士)
- 運営:司法書士・行政書士
- 料金:55,000円
- 特徴:140万円以下の未払い残業代などであれば代理請求できます。弁護士より費用が安めで、民間業者より強力な法的権限を持っています。
- 公式サイト
退職代行やめたらええねん
- 運営:民間企業(労組提携情報あり)
- 料金:アルバイト9,800円~ / 正社員22,000円~
- 特徴:アルバイトなら1万円未満という格安料金が魅力です。交渉は難しい場合がありますが、「リピート割」などユニークな制度を設けています。
- 公式サイト
退職代行SARABA
- 運営:労働組合(SARABAユニオン)
- 料金:24,000円
- 特徴:テレビや雑誌で紹介実績が多く、知名度が高いです。有給消化交渉や残業代の請求などもしっかり代行してくれます。追加料金が発生しない一律料金も魅力です。
- 公式サイト
辞めるんです
- 運営:民間企業(LENIS Entertainment)
- 料金:27,000円
- 特徴:業界初の「後払いプラン(審査なし)」を打ち出したサービスとして有名です。会社と交渉はできませんが、退職代行が成功したあとに支払う形なので、経済的に厳しい方にはありがたいでしょう。
- 公式サイト
退職代行EXIT
- 運営:民間企業
- 料金:20,000円(一律)
- 特徴:最安級の価格設定と、業界初期からの実績が魅力です。メディア露出も豊富で、多くの方に認知されています。交渉はできませんが、単純な退職意思の伝達で十分な方には向いています。
- 公式サイト
退職代行ガーディアン
- 運営:東京労働経済組合(労働組合)
- 料金:24,800円
- 特徴:団体交渉権があるため、会社が退職を拒否しても粘り強く交渉してくれます。24時間365日相談を受け付けており、早朝や深夜でも連絡しやすいので助かる方が多いです。
- 公式サイト
まとめ|退職代行の流れは「準備・権限・記録」
・退職代行の流れはStep1〜Step6で整理。出社停止は即日可、退職日は2週間ルールが軸
・準備はチェックリスト化。就業規則、有給休暇残、送付先、貸与品を事前に整える
・民間業者・労働組合・弁護士の違いを理解し、案件の難易度に合う権限を選ぶ
・連絡は文字で残す。内容証明やメールで時刻と内容を記録



流れがわかったら、不安が半分くらい消えたよ。今夜は準備リストを埋めてみる。



それで十分だ。順番どおりに進めればOK。書面と記録で守りを固めて、明日は安心して前に進もう。



うん、やっと落ち着いて一歩踏み出せそうだ。
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