はじめに
心が限界に近づくと、上司や人事へ退職の意思を伝えるだけで大きな負担。連絡一つが怖くなり、出社も難しくなる状況。そこで役立つ選択肢が退職代行サービス。けれど、メンタル不調のまま走り出すと、書類漏れや返却物の未処理で二次トラブルが起きやすい現実。
この記事では、退職代行を使う前後の実務と注意点をやさしく整理。読了後にそのまま行動へ移せる手順を提示します。
・退職代行を使う人に多いメンタル不調の背景とサイン
・メンタル不調で退職代行を使うメリットとデメリット
・弁護士型・労働組合型・民間型の違いと選び方
・診断書、傷病手当金、有給、離職票など書類まわりの整え方
・当日から使えるチェックリストとロードマップ
僕、ひろは会社員時代にブラック環境で消耗。社会保険給付金サポートを活用し失業手当を受けながら開業届を提出。個人事業主として再就職手当の約200万円を得て独立。その経験を踏まえ、制度と実務の両面から案内できる立場です。
おもちひろ、僕もうメンタルが限界で…出社するエネルギーが残ってないんだ。退職代行って本当に頼っていいのかな。
ひろ頼っていいさ。大事なのは三点セット――連絡は代行に一本化、書類は整合性を保つ、返却は追跡付き。これで安全運転できる。
おもちなるほど、三点セットか。今日からさっそく実行するよ。
退職代行を利用する人に多いメンタル不調の理由
・人間関係の不調、パワハラやモラハラ、上司との相性不一致
・長時間労働、恒常的な残業、過大なノルマ
・適応障害やうつ病の診断、睡眠障害、食欲低下
・辞めたいのに言い出せない心理負担、評価面談への恐怖
| サイン | 頻度・期間 | 受診や相談の目安 |
|---|---|---|
| 出社前の強い動悸や吐き気 | 数日〜1週間以上 | 心療内科や産業医へ相談 |
| 集中力低下・ミス増加 | 業務に支障が出る | 上長や人事へ配置相談、休職検討 |
| 涙が止まらない、強い不安 | 繰り返し発生 | 医療機関の受診、家族や友人へ共有 |
| 朝起きられない、睡眠障害 | 継続 | 受診と勤務調整の検討 |
・医療判断は医師の領域。記事は一般的な整理。受診の検討を最優先。
・休職で回復を目指す選択も有効。無理な即日退職は二次トラブルの火種。
メンタル不調で退職代行を使うメリットとデメリット
| 観点 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 心身の負担 | 上司・人事との直接連絡を回避 | 依頼までは自分で決断が必要 |
| スピード | 当日〜早期の意思表示が可能 | 返却・書類の段取りが甘いと遅延 |
| 交渉力 | 労働組合や弁護士が条件調整に強い | 民間型は交渉範囲に限界 |
| コスト | 時間と精神コストの大幅削減 | 料金負担、悪質業者リスク |
| 透明性 | 窓口一本化で記録が残る | 事実の伝達が不十分だと誤解が残る |
・金銭交渉を民間業者へ要求（非弁行為の恐れ）
・本人が並行して会社へ電話やSNSで連絡
・返却物や離職票の確認を放置
精神面での辞めどきサイン
・心身の安全を最優先。休職や配置転換の打診も選択肢。
・退職代行へ相談する前に、最低限の情報を整理。
メンタル不調で退職代行を使うときの注意点
| 項目 | やること | 補足 |
|---|---|---|
| 窓口の一本化 | 会社連絡は退職代行経由のみ | 本人は連絡しない運用 |
| 返却計画 | 制服・社員証・ICカードを追跡便で返送 | 同梱明細を作成、控え保存 |
| 書類整合性 | 離職票、退職証明書、源泉徴収票の確認 | 記載の齟齬は異議申出 |
| 診断書 | 傷病手当金や休職の検討時に準備 | 原本管理と写し保管 |
| 有給 | 残日数と消化方針を決定 | 調整は労働組合型が得意 |
| SNS | 退職や代行の投稿を控える | 情報漏えい対策 |
| 証跡保全 | 連絡ログ、配送控え、受領記録 | 後日の説明材料 |
・悪化が強い場合は弁護士型や労働組合型で安全運転。
・家族への最低限の共有で支援体制を確保。
法的観点からみる退職代行の選び方
| タイプ | 体制 | 交渉範囲 | 向いている人 | 料金目安 |
|---|---|---|---|---|
| 弁護士型 | 法律事務所 | 金銭・法的交渉まで可能 | 未払い・懲戒懸念・ハラスメント | 5万円〜事案次第 |
| 労働組合型 | 労働組合 | 団体交渉で条件調整に強い | 有給や退職日の調整を重視 | 2.5万〜3万円台 |
| 民間型 | 企業運営 | 伝達中心、交渉は限定 | 急ぎ・低コスト・軽微な事案 | 2万〜3万円台 |
・非弁行為に該当する依頼（損害賠償の交渉を民間へ丸投げ）
・所在地や運営実態が不明な業者への入金
・特商法表記や利用規約を読まずに申込み
おもち休職してから考えるのと、すぐ退職代行に頼むのって、どっちがいいんだろう…。
ひろ体調の回復見込みで分けるといいよ。回復を優先するなら休職して傷病手当金を活用、改善が見込めないなら退職代行で安全着地を選ぶ。
おもちなるほど、安全着地か…。今日のテーマにするよ。
おすすめ退職代行サービス25選
退職代行サービスは数多くありますが、ここでは料金、交渉力、追加サポート（転職支援・給付金サポートなど）を総合的に比較し、特におすすめの28社を紹介します。ご自分の雇用形態や状況に合わせて選んでみてください。
退職代行モームリ
- 運営：民間企業＋労働組合提携
- 料金：正社員22,000円 / アルバイト12,000円
- 特徴：圧倒的なシェア率を誇る大手会社。YouTubeに実例動画を公開しており、どんなやり取りが行われるのかイメージしやすいです。弁護士監修で違法リスクを避けながら、団体交渉も視野に入る組合提携が強みです。
- 公式サイト
退職代行Jobs
- 運営：民間企業（労働組合と提携）
- 料金：27,000円前後
- 特徴：労働組合と提携しているため交渉が可能で、スピード退職にも強いです。後払いにも対応しているので、手元にお金がない方でも始めやすいです。顧問弁護士が監修しており違法リスクを回避しつつ、引越しや転職支援などのアフターフォローも充実しています。
- 公式サイト
退職代行OITOMA（オイトマ）
- 運営：労働組合
- 料金：24,000円（追加料金なし）
- 特徴：即日退職OKで、会社との交渉も可能です。返金保証制度があるので、失敗リスクを気にせず依頼できます。有給休暇や未払い残業代の問題も相談しやすいです。
- 公式サイト
弁護士法人みやび
- 運営：弁護士法人
- 料金：55,000円～
- 特徴：未払い給料や残業代の回収、損害賠償請求の対応など、法的に複雑なケースでも安心です。費用は高めですが、トラブルを100％回避したい場合や確実に権利を守りたい場合におすすめです。
- 公式サイト
退職代行ニコイチ
- 運営：民間企業
- 料金：27,000円
- 特徴：創業18年以上の老舗退職代行で、実績が非常に豊富です。後払い決済や転職支援などもあり、フォローが手厚いです。会社との交渉はできませんが、急ぎでトラブルが少なそうな人に合っています。
- 公式サイト
女性の退職代行＞
- 運営：労働組合（toNEXTユニオン）
- 料金：正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴：女性向けに特化した退職代行で、女性スタッフが丁寧に対応してくれます。職場でのセクハラやパワハラに苦しんでいる方にも安心して利用してほしいという姿勢が感じられます。
- 公式サイト
男の退職代行
- 運営：労働組合
- 料金：正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴：「男性専用」と銘打ち、男社会特有の人間関係や体育会系の理不尽な職場文化に苦しむ方の駆け込み寺として人気です。担当スタッフが男性寄りの目線で親身にサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行TORIKESHI（トリケシ）
- 運営：労働組合（日本労働産業ユニオン）
- 料金：25,000円
- 特徴：LINEだけで相談から退職完了までやり取りが完結します。深夜でも連絡できるので、忙しい方には助かります。有給消化の交渉や離職票の手続きも任せやすいです。
- 公式サイト
退職代行リーガルジャパン
- 運営：労働組合
- 料金：27,000円
- 特徴：転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
ABAYO
- 運営：民間企業
- 料金：正社員19,800円 / アルバイト11,000円
- 特徴：低価格と退職できなかった場合の全額返金保証が魅力。正社員、パート・アルバイト、派遣社員・契約社員で料金が異なり、転職支援も提供しています。
- 公式サイト
弁護士ビーノ
退職代行リーガルジャパン
- 運営：労働組合
- 料金：27,000円
- 特徴：転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
弁護士法人ガイア
退職代行サービスのretry（リトライ）
- 運営：行政書士事務所
- 料金：アルバイト20,000円 / 正社員30,000円
- 特徴：交渉はできませんが、行政書士ならではの書類作成サポートが強みです。全額返金保証があるので「退職できなかったらどうしよう」という不安を軽減できます。
- 公式サイト
辞スル
- 運営：民間企業
- 料金：正社員22,000円 / アルバイト18,000円
- 特徴：低価格が魅力で、正社員とパート・アルバイトで料金が異なります。労働組合との連携や弁護士監修がついている点も安心です。
- 公式サイト
青山北町法律事務所
ほっとライン
退職代行ゼロユニオン
- 運営：労働組合
- 料金：正社員23,980円 / アルバイト18,700円
- 特徴：新卒社員の割引がある点が特徴です。退職が完了するまで追加料金はかからず、有休や残業代の交渉にも対応できます。書類送付などもサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行プラスサービス
- 運営：民間企業
- 料金：正社員21,780円 / アルバイト16,280円
- 特徴：女性スタッフだけで運営されているため、女性が相談しやすいと評判です。交渉はできませんが、全額返金保証や転職サポートなどが手厚いです。
- 公式サイト
ヤメドキ
- 運営：民間企業
- 料金：24,000円
- 特徴：後払いシステムを特徴としています 。
- 公式サイト
フォーゲル綜合法律事務所
- 運営：弁護士
- 料金：33,000円～
- 特徴：有名弁護士が在籍しており、公務員やナイトワークでも対応可能です。会社側が損害賠償を請求してきても、法的にきちんと対処してくれます。
- 公式サイト
退職代行あおぞらユニオン
- 運営：労働組合（あおぞらユニオン）
- 料金：12,000円～（詳細は要問い合わせ）
- 特徴：弁護士や社労士の資格を持つメンバーが複数在籍し、有給休暇や傷病手当金の手続きなどに詳しいです。低料金で団体交渉権が得られる点も評価が高いです。
- 公式サイト
退職代行相談所（司法書士）
- 運営：司法書士・行政書士
- 料金：55,000円
- 特徴：140万円以下の未払い残業代などであれば代理請求できます。弁護士より費用が安めで、民間業者より強力な法的権限を持っています。
- 公式サイト
退職代行やめたらええねん
- 運営：民間企業（労組提携情報あり）
- 料金：アルバイト9,800円～ / 正社員22,000円～
- 特徴：アルバイトなら1万円未満という格安料金が魅力です。交渉は難しい場合がありますが、「リピート割」などユニークな制度を設けています。
- 公式サイト
退職代行SARABA
- 運営：労働組合（SARABAユニオン）
- 料金：24,000円
- 特徴：テレビや雑誌で紹介実績が多く、知名度が高いです。有給消化交渉や残業代の請求などもしっかり代行してくれます。追加料金が発生しない一律料金も魅力です。
- 公式サイト
辞めるんです
- 運営：民間企業（LENIS Entertainment）
- 料金：27,000円
- 特徴：業界初の「後払いプラン（審査なし）」を打ち出したサービスとして有名です。会社と交渉はできませんが、退職代行が成功したあとに支払う形なので、経済的に厳しい方にはありがたいでしょう。
- 公式サイト
退職代行EXIT
- 運営：民間企業
- 料金：20,000円（一律）
- 特徴：最安級の価格設定と、業界初期からの実績が魅力です。メディア露出も豊富で、多くの方に認知されています。交渉はできませんが、単純な退職意思の伝達で十分な方には向いています。
- 公式サイト
退職代行ガーディアン
- 運営：東京労働経済組合（労働組合）
- 料金：24,800円
- 特徴：団体交渉権があるため、会社が退職を拒否しても粘り強く交渉してくれます。24時間365日相談を受け付けており、早朝や深夜でも連絡しやすいので助かる方が多いです。
- 公式サイト
退職後のメンタルケアと転職へのステップ
| フェーズ | 目安時期 | 重点タスク | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 退職直後 | 0〜7日 | 休養、診断書整理、保険証返却 | 私物と貸与品の区分、証跡保全 |
| 受給準備 | 1〜2週 | 離職票の確認、傷病手当金や失業給付の手続き準備 | 理由欄の整合性、支給要件の確認 |
| 回復期 | 2〜4週 | 生活リズムの再構築、軽い運動 | SNS断捨離、睡眠衛生 |
| 再始動 | 1〜2か月 | 職務要件の棚卸し、応募書類の更新 | 短期離職の説明をSTARで準備 |
・傷病手当金が視野なら受診と診断書が鍵。
・失業手当は時期や離職理由で取り扱いが変わるため、離職票の確認が重要。
・再就職手当を狙うなら、就業開始日と受給条件の整合を意識。
よくある質問（FAQ）
- メンタル不調でも退職代行は利用できますか
-
可能。体調優先で窓口一本化。診断書があるとやり取りが整理しやすい。
- 医師の診断書は必須ですか
-
退職自体には必須ではない。傷病手当金や休職を使うなら準備を推奨。
- 即日退職は可能ですか
-
緊急時は例外的に可能。返却・書類・有給の設計を同時に進めるとトラブルを減らせる。
- 退職代行は転職に不利になりますか
-
実務の設計次第。面接での説明は事実と学びを簡潔に。代行は手段として淡々と伝える。
- 料金の相場はどのくらいですか
-
民間で2〜3万円台、労働組合型で2.5〜3万円台、弁護士型で5万円〜事案次第。
【体験談】メンタル不調でも退職代行を活用し揉めずに進めた3例
体験談①｜20代・コールセンター
睡眠が乱れ、出社前に吐き気を覚えるほど追い込まれていました。労働組合型の退職代行へLINEで相談すると、退職日の調整と有給の扱いを団体交渉で整理。貸与スマホとIDは追跡便で返送し、受領連絡も含めて窓口を一本化しました。離職票の理由も適切に整い、会社と直接ぶつかることなく静かな退職を実現。精神的な摩耗を最小限に抑えられました。
体験談②｜30代・システムエンジニア
長時間労働と未払い残業の連続で適応障害と診断。弁護士型の退職代行を選び、勤怠ログやメール履歴、診断書を時系列で整理して提出しました。その結果、未払い残業代の精算まで合意に到達。回復期には学習時間を確保し、新しいスキルを身につけながら同業界へ再就職しました。転職活動では「負い目」ではなく「学び」を前面に出すことで、堂々と内定を獲得できました。
体験談③｜40代・店舗運営
人員不足による連日の残業で心身ともに限界に。民間型の退職代行へ依頼し、返却計画と書類のスケジュールを先に確定しました。制服・名札・ICカードを同梱明細とともに返送し、配送控えも保管。面接では「業務と体調のミスマッチ」を簡潔に説明するにとどめ、深掘りされることはありませんでした。その後は小売業界の別職種へ移行し、無理のない働き方を実現しました。
まとめ：メンタル不調なら安全運転で静かに着地
・退職代行は連絡負担を減らす道具。窓口一本化と証跡保全が肝
・診断書、傷病手当金、有給、離職票など書類の整合で二次トラブルを回避
・弁護士型・労働組合型・民間型の違いを理解し、事案難易度で選択
・面接では代行を手段として位置づけ、事実と学びを一分で言語化
・回復期の設計と再就職のロードマップで無理のない再始動
おもち今日のゴールは、窓口一本化と返却リストの作成だね。これなら僕でもできそうだ。
ひろもちろんできるさ。追跡番号だけ忘れずに控えておけば完璧。静かに整えて、静かに着地しよう。
おもちよし、静かに着地して…次は静かに離陸だ。いい流れになってきた。
・返却は追跡便、同梱明細、受領連絡まで管理
・離職票の理由は必ず確認。齟齬は資料を添えて申出
・本記事は一般論の整理。個別の事情が強い場合は弁護士型や労働組合型の退職代行へ相談。
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