はじめに
退職代行を使いたいのに手元にお金がない。そんな状況だと、行動が止まりがちです。費用の相場がわからない、後払いは本当に可能なのか不安、無料の範囲はどこまでか知りたい。焦りと迷いが重なる場面。
この記事では、費用相場と無料・後払いの仕組み、注意点、選び方を体系化。さらに実体験に基づく段取り術を提示します。ひろは会社員時代にブラック環境で消耗し、社会保険給付金サポートを活用して失業保険を通常より長く受給。その後、失業手当の受給期間中に開業届を出して個人事業主となり、再就職手当として約200万円を受け取った経験あり。制度と実務の両面から、安心して進める道筋を案内します。
- 退職代行の費用相場と支払い方法の全体像
- お金がないときの三つの選択肢(後払い・無料・支援の活用)
- 無料/後払いプランの仕組みと落とし穴
- 迷わない選び方のチェックリストとNG行動
- よくある質問への実務的な答えと三つの体験談

ひろ、退職代行を使いたいんだけど…財布が空っぽなんだよね。これって詰んだ?



詰んでないぞ。支払いのタイミングを設計すれば動けるよ。後払い対応のところもあるし、今日はその流れを全部言語化して整理しよう。



なるほど…財布は軽いけど、心もちょっと軽くなった気がする。
退職代行にかかる費用の相場
運営形態 | 費用相場 | できることの目安 | 向いている状況 |
---|---|---|---|
一般(民間) | 15,000円〜30,000円 | 退職意思の連絡代行、書類・貸与物の調整 | 連絡が怖い、即日連絡が欲しい |
労働組合 | 20,000円〜30,000円台 | 団体交渉で有給や条件の交渉が可能 | 有給や条件面での調整が必要 |
弁護士 | 50,000円〜10万円以上 | 法的交渉、未払い賃金・損害賠償対応まで可 | 未払い、懲戒、法的リスクがある |
- 支払い方法は一括だけでなく、後払い・分割・振込猶予の用意があるサービスも存在
- 高額=常に最適ではない。必要な対応範囲と支払い条件の合致が鍵
メモ
・価格だけで比較しない。非弁行為の回避、実績、契約書の明確さを優先
お金がない人が取れる三つの選択肢
A. 後払い対応の退職代行を選ぶ
- 給料の振込後、離職票の到着後など、支払いのタイミングを後ろにずらす設計
- クレジットカードの後払い、コンビニ後払い、銀行振込の期日設定など複数手段
- 後払いの条件(審査の有無、支払期日、延滞時の取り扱い)
- 決済手数料や追加費用の有無
B. 無料で使える窓口や仕組みを活用
- 相談は無料が一般的。中には実行まで無料のケースも存在
- 労働組合が提供する支援メニューで実質無料になる場合あり
加入条件や運営方針の確認は必須。対応範囲の線引きを先に把握
C. 支援制度・分割を併用(最後の選択肢)
- 弁護士費用の立替制度など、公的支援で費用負担が軽くなるケース
- カード分割や親族立替は最終手段。生活を悪化させない返済計画が前提
- 高利の借入や不透明な個人間融資に手を出すこと
- 明細や契約書のない決済



後払いって、こっちから言い出してもいいのかな?



もちろん言っていい。条件は相手からも提示されるし、期日と手数料が明確なら安心して前に進めるんだ。



なるほど、まずは条件の確認だな。交渉じゃなくて確認なら僕にもできそうだ。
無料・後払いの仕組みと落とし穴
タイプ別の仕組み
タイプ | 支払いタイミング | 審査の有無 | よくある注意点 | 相性が良い人 |
---|---|---|---|---|
後払い(民間/労組) | 手続き完了後、給料振込後など | ありの場合が多い | 期日超過時の延滞料、キャンセル規定 | 給料見込みがある、短期に資金化できる |
相談のみ無料 | 申込前の相談のみ | なし | 実行は有料、範囲の勘違い | まず情報整理をしたい |
実行まで無料(条件付き) | ほぼ不要 | あり(加入・枠の制限など) | 枠が少ない、待機が発生 | 緊急性が低い、条件の合致が見込める |
公的立替制度 | 事後に分割返済 | あり | 審査・書類が多い、対象限定 | 法的論点がある、弁護士型が適合 |
- 無料表記は範囲の確認が要。実行無料か、相談のみ無料かを明確化
- 後払いは期日、遅延時のルール、与信の可否を契約書で確認
- 交渉が絡むなら労働組合か弁護士運営。一般は連絡代行が中心
- 非弁行為の回避が最重要。線引きが曖昧な業者は避ける
- 契約書と利用規約を保存
- 総額とオプションの有無を一覧化
- 返金やキャンセルの条件を事前に確認
おすすめ退職代行サービス25選


退職代行サービスは数多くありますが、ここでは料金、交渉力、追加サポート(転職支援・給付金サポートなど)を総合的に比較し、特におすすめの28社を紹介します。ご自分の雇用形態や状況に合わせて選んでみてください。
退職代行モームリ
- 運営:民間企業+労働組合提携
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト12,000円
- 特徴:圧倒的なシェア率を誇る大手会社。YouTubeに実例動画を公開しており、どんなやり取りが行われるのかイメージしやすいです。弁護士監修で違法リスクを避けながら、団体交渉も視野に入る組合提携が強みです。
- 公式サイト
退職代行Jobs
- 運営:民間企業(労働組合と提携)
- 料金:27,000円前後
- 特徴:労働組合と提携しているため交渉が可能で、スピード退職にも強いです。後払いにも対応しているので、手元にお金がない方でも始めやすいです。顧問弁護士が監修しており違法リスクを回避しつつ、引越しや転職支援などのアフターフォローも充実しています。
- 公式サイト
退職代行OITOMA(オイトマ)
- 運営:労働組合
- 料金:24,000円(追加料金なし)
- 特徴:即日退職OKで、会社との交渉も可能です。返金保証制度があるので、失敗リスクを気にせず依頼できます。有給休暇や未払い残業代の問題も相談しやすいです。
- 公式サイト
弁護士法人みやび
- 運営:弁護士法人
- 料金:55,000円~
- 特徴:未払い給料や残業代の回収、損害賠償請求の対応など、法的に複雑なケースでも安心です。費用は高めですが、トラブルを100%回避したい場合や確実に権利を守りたい場合におすすめです。
- 公式サイト
退職代行ニコイチ
- 運営:民間企業
- 料金:27,000円
- 特徴:創業18年以上の老舗退職代行で、実績が非常に豊富です。後払い決済や転職支援などもあり、フォローが手厚いです。会社との交渉はできませんが、急ぎでトラブルが少なそうな人に合っています。
- 公式サイト
女性の退職代行>
- 運営:労働組合(toNEXTユニオン)
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:女性向けに特化した退職代行で、女性スタッフが丁寧に対応してくれます。職場でのセクハラやパワハラに苦しんでいる方にも安心して利用してほしいという姿勢が感じられます。
- 公式サイト
男の退職代行
- 運営:労働組合
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:「男性専用」と銘打ち、男社会特有の人間関係や体育会系の理不尽な職場文化に苦しむ方の駆け込み寺として人気です。担当スタッフが男性寄りの目線で親身にサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行TORIKESHI(トリケシ)
- 運営:労働組合(日本労働産業ユニオン)
- 料金:25,000円
- 特徴:LINEだけで相談から退職完了までやり取りが完結します。深夜でも連絡できるので、忙しい方には助かります。有給消化の交渉や離職票の手続きも任せやすいです。
- 公式サイト
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
ABAYO
- 運営:民間企業
- 料金:正社員19,800円 / アルバイト11,000円
- 特徴:低価格と退職できなかった場合の全額返金保証が魅力。正社員、パート・アルバイト、派遣社員・契約社員で料金が異なり、転職支援も提供しています。
- 公式サイト
弁護士ビーノ
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
弁護士法人ガイア
退職代行サービスのretry(リトライ)
- 運営:行政書士事務所
- 料金:アルバイト20,000円 / 正社員30,000円
- 特徴:交渉はできませんが、行政書士ならではの書類作成サポートが強みです。全額返金保証があるので「退職できなかったらどうしよう」という不安を軽減できます。
- 公式サイト
辞スル
- 運営:民間企業
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト18,000円
- 特徴:低価格が魅力で、正社員とパート・アルバイトで料金が異なります。労働組合との連携や弁護士監修がついている点も安心です。
- 公式サイト
青山北町法律事務所
ほっとライン
退職代行ゼロユニオン
- 運営:労働組合
- 料金:正社員23,980円 / アルバイト18,700円
- 特徴:新卒社員の割引がある点が特徴です。退職が完了するまで追加料金はかからず、有休や残業代の交渉にも対応できます。書類送付などもサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行プラスサービス
- 運営:民間企業
- 料金:正社員21,780円 / アルバイト16,280円
- 特徴:女性スタッフだけで運営されているため、女性が相談しやすいと評判です。交渉はできませんが、全額返金保証や転職サポートなどが手厚いです。
- 公式サイト
ヤメドキ
- 運営:民間企業
- 料金:24,000円
- 特徴:後払いシステムを特徴としています 。
- 公式サイト
フォーゲル綜合法律事務所
- 運営:弁護士
- 料金:33,000円~
- 特徴:有名弁護士が在籍しており、公務員やナイトワークでも対応可能です。会社側が損害賠償を請求してきても、法的にきちんと対処してくれます。
- 公式サイト
退職代行あおぞらユニオン
- 運営:労働組合(あおぞらユニオン)
- 料金:12,000円~(詳細は要問い合わせ)
- 特徴:弁護士や社労士の資格を持つメンバーが複数在籍し、有給休暇や傷病手当金の手続きなどに詳しいです。低料金で団体交渉権が得られる点も評価が高いです。
- 公式サイト
退職代行相談所(司法書士)
- 運営:司法書士・行政書士
- 料金:55,000円
- 特徴:140万円以下の未払い残業代などであれば代理請求できます。弁護士より費用が安めで、民間業者より強力な法的権限を持っています。
- 公式サイト
退職代行やめたらええねん
- 運営:民間企業(労組提携情報あり)
- 料金:アルバイト9,800円~ / 正社員22,000円~
- 特徴:アルバイトなら1万円未満という格安料金が魅力です。交渉は難しい場合がありますが、「リピート割」などユニークな制度を設けています。
- 公式サイト
退職代行SARABA
- 運営:労働組合(SARABAユニオン)
- 料金:24,000円
- 特徴:テレビや雑誌で紹介実績が多く、知名度が高いです。有給消化交渉や残業代の請求などもしっかり代行してくれます。追加料金が発生しない一律料金も魅力です。
- 公式サイト
辞めるんです
- 運営:民間企業(LENIS Entertainment)
- 料金:27,000円
- 特徴:業界初の「後払いプラン(審査なし)」を打ち出したサービスとして有名です。会社と交渉はできませんが、退職代行が成功したあとに支払う形なので、経済的に厳しい方にはありがたいでしょう。
- 公式サイト
退職代行EXIT
- 運営:民間企業
- 料金:20,000円(一律)
- 特徴:最安級の価格設定と、業界初期からの実績が魅力です。メディア露出も豊富で、多くの方に認知されています。交渉はできませんが、単純な退職意思の伝達で十分な方には向いています。
- 公式サイト
退職代行ガーディアン
- 運営:東京労働経済組合(労働組合)
- 料金:24,800円
- 特徴:団体交渉権があるため、会社が退職を拒否しても粘り強く交渉してくれます。24時間365日相談を受け付けており、早朝や深夜でも連絡しやすいので助かる方が多いです。
- 公式サイト
お金がない人向けの選び方|チェックリストとNG行動
確認項目 | 見る場所 | 目的 |
---|---|---|
後払いの条件 | 料金ページ/契約書 | 期日・手数料・審査の明確化 |
対応範囲 | サービス説明/運営形態 | 連絡代行のみか、交渉の可否か |
連絡速度 | 受付時間/初回返信の目安 | 即日の連絡可否の判断 |
実績と体制 | 運営者情報/事例 | 安全性と再現性の確認 |
追加費用 | 注意書き/Q&A | 思わぬ加算の抑制 |
個人情報管理 | 規約/プライバシー | 情報漏えいリスクの低減 |
- 費用だけでなく、支払い条件と対応範囲を同時に見る
- 交渉が必要なら労働組合か弁護士。価格と安心のバランス設計
- 即日が希望でも、引継ぎや貸与物の段取りを最低限整える
- 無料の文言だけで申し込む
- 契約書を読まずに決済する
- 非弁行為の疑いがある説明を鵜呑みにする
迷ったら、状況を書き出して相談。要望と制約を言葉にするとミスマッチが減る
実務フロー|お金がないときの最短ルート
雇用形態、退職希望日、有給残、未払いの有無
期日、審査、手数料、決済手段
連絡経路の一本化、貸与物の返却方法、書類の送付先
現状、期限、関係者、保管場所の四点
追跡可能な手段
やり取りの記録保存、到着確認
離職票、源泉徴収票、資格喪失証明
最小セットの引継ぎテンプレ
観点 | 記載例 |
---|---|
現状 | A案件は検収待ち、B案件は要件確定済み |
期限 | Aは〇月〇日、Bは〇月〇日 |
関係者 | 社内Cさん、社外D社Eさん |
保管場所 | 共有ドライブのフォルダ名、チケットURL |
【体験談】お金ゼロでも退職代行を利用できた三つの実例
事例1|派遣社員・23歳・女性
退職を決めた時、財布には3,000円しかなく「費用が払えないのでは」と不安でした。一般の退職代行に無料相談すると、後払い条件を確認でき、そのまま依頼。退職意思の連絡は即日で完了しました。自分は引継ぎメモと貸与物リストを作成し、荷物は着払いで返送。最終給与の入金後に費用を清算し、出社ゼロで退職を終えることができました。「お金がなくても進められる」と知れたことが救いでした。
事例2|IT系・30代男性
未払い残業が疑われたものの、弁護士型は費用的に断念。代わりに労働組合運営の退職代行を選びました。団体交渉の力を活かし、有給の一部消化と退職日の調整が実現。支払いは分割に切り替えられ、無理なく進められました。必要十分なサポートを受けられたことで、「お金がなくても退職できる」という迷いが消えたと振り返ります。
事例3|販売職・20代後半・実家暮らし
夜間の上司からの連絡が怖く、LINE中心で完結したいと考えていました。一般の退職代行で後払いプランを選択。上司からの直電は代行窓口に一本化され、自分は書類と荷物の整理だけに集中できました。二週間後に離職票が届き、翌月に清算。大きなトラブルもなく退職が成立し、心身の余裕を取り戻せました。
よくある質問(FAQ)
まとめ|お金がなくても退職代行は使える
お金がなくても、退職代行は使える。鍵は支払い条件の設計と必要範囲の見極め。後払い・無料・支援制度を組み合わせ、非弁の線引きを守りつつ前へ進む。
- 相場は運営形態で変わる。必要な対応範囲から逆算
- 後払いは期日・審査・手数料を契約で確認
- 無料は範囲の把握が命。相談だけか実行までかを区別
- 交渉の要否で主体を選ぶ(一般/労働組合/弁護士)
- 最小セットの引継ぎと貸与物リストで実務を短縮
- 契約書と規約を保存。追加費用とキャンセル条件も要チェック
- 高利の借入や不透明な個人間融資は避ける
- 状況の棚卸(雇用形態、退職日、有給、未払い)
- 後払いの条件表の作成
- 引継ぎ四点メモと貸与物リストの準備
- 書類と荷物の追跡、到着確認の記録
- 成功率の断定表現に注意。条件で結果は変動
- 過度な値引き訴求や即日を強調しすぎる表示は警戒



後払いの条件はちゃんと確認するよ。引き継ぎも四つの観点で一枚にまとめてみる。



それで十分だ。段取りが整えば不安はぐっと小さくなる。支払いも期日が決まれば怖くない。



うん、やることが見えた。財布は軽いけど、歩き出せそうだ。
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