はじめに
退職代行は、上司や人事との直接やり取りを避けつつ退職を進められる実務ツールです。便利な反面、注意点を外すと会社との行き違い、費用トラブル、書類の遅延に発展しがち。この記事では、利用前・依頼時・退職後の各フェーズで押さえるべきポイントを整理し、失敗を回避する手順に落とし込みます。
・退職代行 注意点の要点と回避策
・弁護士型/労働組合型/民間型の違いと選び方
・依頼から完了までの流れと必要書類
・費用・返金・追加料金の見落とし防止チェック
・拒否・引き留め・損害賠償示唆への対応手順
僕、ひろは会社員時代にブラック環境で消耗。社会保険給付金サポートを活用し失業手当を受けながら開業届を提出。その後、再就職手当の約200万円を得て独立。制度と実務の両面から案内できる立場です。

ひろ、僕もう上司に連絡する気力がゼロなんだ…。退職代行って本当に頼っていいのかな?



頼っていいよ。ただし注意点がある。窓口の一本化、書類の整合、有給と返却の設計――この三点を外さなければ失敗は防げる。安全に進められるんだ。



なるほど…三点セットだね。今日からメモして冷蔵庫に貼っておくよ。
【結論】退職代行を使う前に押さえる注意点10か条
- 運営主体の確認
弁護士/労働組合/民間でできる範囲が違います。非弁行為の回避は最優先。 - 交渉の線引き
未払賃金や残業代、有給消化の交渉、損害賠償示唆への対応は弁護士の領域。民間は連絡代行が限界。 - 料金の総額把握
基本料金だけで判断しない。深夜対応、連絡回数、書面作成、郵送費、後払い手数料の有無まで確認。 - 返金条件の文言
未実施時のみ/不成功時返金/着手後返金不可など定義は各社で差。利用規約と特商法表記を必ず確認。 - 個人情報の扱い
プライバシーポリシー、保管期間、削除手続きの明記を確認。LINEでのやり取りもログ保存。 - 即日退職の現実
民法の2週間原則と実務の折り合いを理解。即日を狙う場合は返却・書類・有給の設計を同時進行。 - 直接連絡が来たときの初動
本人は応答せず、代行へ転送。窓口一本化を徹底。通話録音やスクショで記録化。 - 書類と貸与品の段取り
退職届、離職票、源泉徴収票、保険証、社員証、鍵、PC、携帯、制服。追跡付きで返却し証跡保全。 - 有給・未払いの根拠準備
勤怠、就業規則、賃金台帳、メール履歴を事前に整理。主張の土台を用意。 - 連絡手段と対応時間
LINE/電話/メールの運用ルール、24時間対応可否、緊急時の連絡先を確認。土日祝や深夜帯の可否も要チェック。
・利用規約、特商法表記、運営会社の所在地と代表者名を確認
・顧問弁護士の有無や監修表記の妥当性を確認
おすすめ退職代行サービス25選


退職代行サービスは数多くありますが、ここでは料金、交渉力、追加サポート(転職支援・給付金サポートなど)を総合的に比較し、特におすすめの28社を紹介します。ご自分の雇用形態や状況に合わせて選んでみてください。
退職代行モームリ
- 運営:民間企業+労働組合提携
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト12,000円
- 特徴:圧倒的なシェア率を誇る大手会社。YouTubeに実例動画を公開しており、どんなやり取りが行われるのかイメージしやすいです。弁護士監修で違法リスクを避けながら、団体交渉も視野に入る組合提携が強みです。
- 公式サイト
退職代行Jobs
- 運営:民間企業(労働組合と提携)
- 料金:27,000円前後
- 特徴:労働組合と提携しているため交渉が可能で、スピード退職にも強いです。後払いにも対応しているので、手元にお金がない方でも始めやすいです。顧問弁護士が監修しており違法リスクを回避しつつ、引越しや転職支援などのアフターフォローも充実しています。
- 公式サイト
退職代行OITOMA(オイトマ)
- 運営:労働組合
- 料金:24,000円(追加料金なし)
- 特徴:即日退職OKで、会社との交渉も可能です。返金保証制度があるので、失敗リスクを気にせず依頼できます。有給休暇や未払い残業代の問題も相談しやすいです。
- 公式サイト
弁護士法人みやび
- 運営:弁護士法人
- 料金:55,000円~
- 特徴:未払い給料や残業代の回収、損害賠償請求の対応など、法的に複雑なケースでも安心です。費用は高めですが、トラブルを100%回避したい場合や確実に権利を守りたい場合におすすめです。
- 公式サイト
退職代行ニコイチ
- 運営:民間企業
- 料金:27,000円
- 特徴:創業18年以上の老舗退職代行で、実績が非常に豊富です。後払い決済や転職支援などもあり、フォローが手厚いです。会社との交渉はできませんが、急ぎでトラブルが少なそうな人に合っています。
- 公式サイト
女性の退職代行>
- 運営:労働組合(toNEXTユニオン)
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:女性向けに特化した退職代行で、女性スタッフが丁寧に対応してくれます。職場でのセクハラやパワハラに苦しんでいる方にも安心して利用してほしいという姿勢が感じられます。
- 公式サイト
男の退職代行
- 運営:労働組合
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:「男性専用」と銘打ち、男社会特有の人間関係や体育会系の理不尽な職場文化に苦しむ方の駆け込み寺として人気です。担当スタッフが男性寄りの目線で親身にサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行TORIKESHI(トリケシ)
- 運営:労働組合(日本労働産業ユニオン)
- 料金:25,000円
- 特徴:LINEだけで相談から退職完了までやり取りが完結します。深夜でも連絡できるので、忙しい方には助かります。有給消化の交渉や離職票の手続きも任せやすいです。
- 公式サイト
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
ABAYO
- 運営:民間企業
- 料金:正社員19,800円 / アルバイト11,000円
- 特徴:低価格と退職できなかった場合の全額返金保証が魅力。正社員、パート・アルバイト、派遣社員・契約社員で料金が異なり、転職支援も提供しています。
- 公式サイト
弁護士ビーノ
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
弁護士法人ガイア
退職代行サービスのretry(リトライ)
- 運営:行政書士事務所
- 料金:アルバイト20,000円 / 正社員30,000円
- 特徴:交渉はできませんが、行政書士ならではの書類作成サポートが強みです。全額返金保証があるので「退職できなかったらどうしよう」という不安を軽減できます。
- 公式サイト
辞スル
- 運営:民間企業
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト18,000円
- 特徴:低価格が魅力で、正社員とパート・アルバイトで料金が異なります。労働組合との連携や弁護士監修がついている点も安心です。
- 公式サイト
青山北町法律事務所
ほっとライン
退職代行ゼロユニオン
- 運営:労働組合
- 料金:正社員23,980円 / アルバイト18,700円
- 特徴:新卒社員の割引がある点が特徴です。退職が完了するまで追加料金はかからず、有休や残業代の交渉にも対応できます。書類送付などもサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行プラスサービス
- 運営:民間企業
- 料金:正社員21,780円 / アルバイト16,280円
- 特徴:女性スタッフだけで運営されているため、女性が相談しやすいと評判です。交渉はできませんが、全額返金保証や転職サポートなどが手厚いです。
- 公式サイト
ヤメドキ
- 運営:民間企業
- 料金:24,000円
- 特徴:後払いシステムを特徴としています 。
- 公式サイト
フォーゲル綜合法律事務所
- 運営:弁護士
- 料金:33,000円~
- 特徴:有名弁護士が在籍しており、公務員やナイトワークでも対応可能です。会社側が損害賠償を請求してきても、法的にきちんと対処してくれます。
- 公式サイト
退職代行あおぞらユニオン
- 運営:労働組合(あおぞらユニオン)
- 料金:12,000円~(詳細は要問い合わせ)
- 特徴:弁護士や社労士の資格を持つメンバーが複数在籍し、有給休暇や傷病手当金の手続きなどに詳しいです。低料金で団体交渉権が得られる点も評価が高いです。
- 公式サイト
退職代行相談所(司法書士)
- 運営:司法書士・行政書士
- 料金:55,000円
- 特徴:140万円以下の未払い残業代などであれば代理請求できます。弁護士より費用が安めで、民間業者より強力な法的権限を持っています。
- 公式サイト
退職代行やめたらええねん
- 運営:民間企業(労組提携情報あり)
- 料金:アルバイト9,800円~ / 正社員22,000円~
- 特徴:アルバイトなら1万円未満という格安料金が魅力です。交渉は難しい場合がありますが、「リピート割」などユニークな制度を設けています。
- 公式サイト
退職代行SARABA
- 運営:労働組合(SARABAユニオン)
- 料金:24,000円
- 特徴:テレビや雑誌で紹介実績が多く、知名度が高いです。有給消化交渉や残業代の請求などもしっかり代行してくれます。追加料金が発生しない一律料金も魅力です。
- 公式サイト
辞めるんです
- 運営:民間企業(LENIS Entertainment)
- 料金:27,000円
- 特徴:業界初の「後払いプラン(審査なし)」を打ち出したサービスとして有名です。会社と交渉はできませんが、退職代行が成功したあとに支払う形なので、経済的に厳しい方にはありがたいでしょう。
- 公式サイト
退職代行EXIT
- 運営:民間企業
- 料金:20,000円(一律)
- 特徴:最安級の価格設定と、業界初期からの実績が魅力です。メディア露出も豊富で、多くの方に認知されています。交渉はできませんが、単純な退職意思の伝達で十分な方には向いています。
- 公式サイト
退職代行ガーディアン
- 運営:東京労働経済組合(労働組合)
- 料金:24,800円
- 特徴:団体交渉権があるため、会社が退職を拒否しても粘り強く交渉してくれます。24時間365日相談を受け付けており、早朝や深夜でも連絡しやすいので助かる方が多いです。
- 公式サイト
退職代行の仕組みと「できること/できないこと」
項目 | できること | できないこと |
---|---|---|
連絡 | 退職意思の正式伝達、窓口一本化、書面の送付 | 本人の署名が必要な書類の代筆断行 |
条件 | 退職日や返却方法の調整(労組・弁護士が有利) | 民間による代理交渉や法的請求 |
金銭 | 弁護士なら未払い・残業代の請求交渉 | 民間・一部労組による金銭交渉 |
トラブル | 直接接触の遮断、記録化支援 | 会社規程の変更や懲戒の撤回確約 |
即日 | 連絡当日からの意思表示と連絡遮断 | すべての法的・実務手続の即日完了 |
・弁護士法と団体交渉権の線引きを理解。越権はトラブルの種。
・民間型はスピードと価格が魅力だが、交渉範囲に限界。事案の難易度で選定。
法的観点の注意点:弁護士・労働組合・民間の違いと交渉範囲
タイプ | 法的立て付け | 強み | 向いているケース | 注意点 |
---|---|---|---|---|
弁護士型 | 弁護士法に基づく業務 | 未払い・残業代・損害賠償示唆への対処 | 懲戒懸念、金銭論点、ハラスメント | 料金は事案で増減、着手前に見積り |
労働組合型 | 団体交渉権 | 有給や退職日など条件面の調整 | 有給消化重視、書面運用を丁寧に進めたい | 団交範囲外の金銭請求は弁護士連携 |
民間型 | 連絡代行 | 24時間相談、低コスト、即日連絡 | 軽微事案、条件整理が済んでいる | 交渉範囲の限界、非弁行為の回避 |
・金銭交渉を民間に依頼
・監修や顧問表記だけで過信
・所在地や運営実態が不明な事業者への入金
依頼〜退職完了までの流れと必要書類/連絡のコツ
ステップ | やること | 実務のコツ |
---|---|---|
1. 相談 | 雇用形態、就業規則、残有給、貸与品を共有 | 事実と希望を箇条書きで整理 |
2. 申込み | 料金・返金・連絡ルールに同意 | 利用規約と特商法表記を保管 |
3. 事前ヒアリング | 退職日、有給方針、返却方法、窓口 | 追跡便利用、同梱明細の作成 |
4. 会社へ通知 | 退職の意思表示、連絡一本化を明記 | 感情表現は排除、事実ベース |
5. 書類・返却 | 離職票・源泉徴収票・保険証の回収、貸与品返却 | 受領記録と伝票控えを保存 |
6. 最終確認 | 有給・未払いの確認、必要に応じ交渉 | 弁護士・労組連携で品質確保 |
会社から直接連絡が来たときの定型返答
ご連絡ありがとうございます。退職の件につきましては、連絡窓口を退職代行〇〇へ一本化しております。
以後のご連絡は、下記窓口へお願いいたします。
退職代行〇〇 連絡先:xxxx(電話/メール/LINE)
本人からの直接のご連絡は控える運用としております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
費用・返金・追加料金で失敗しないためのチェックリスト
項目 | 確認内容 | OKライン |
---|---|---|
基本料金 | 税込表示、内訳の明記 | 総額と含まれる作業が明確 |
追加料金 | 深夜・休日、連絡回数、書面作成、郵送 | 条件と金額が事前説明済み |
返金条件 | 未実施/不成功/キャンセルの定義 | 文言が具体、適用例あり |
支払方法 | 後払い、分割、クレカ可否 | 支払期日と手数料が明記 |
領収書 | 発行可否と方法 | 電子または紙の選択可 |
個人情報 | 保管期間、削除手続き | 依頼終了後の削除に対応 |
・見積書や利用規約のスクショを保管。
・返金条件は一文の違いで結果が変わる。曖昧なら事前に質問。
会社からの拒否・引き留め・損害賠償示唆への対応
よくある主張と向き合い方
・退職は認めない
意思表示は権利。窓口一本化を崩さず、書面で淡々と進行。
・有給は認めない
就業規則と運用実態を確認。有給方針は労働組合型や弁護士型で調整が有利。
・損害賠償を請求する
威圧や示唆は記録。具体的請求や根拠が示されるまでは静観。示唆が続く場合は弁護士へ移管。
・本人が感情的に反論
・SNSで職場や担当者を特定して投稿
・合意前に金銭を送付



もし会社から「直接来い」って言われたらどうしよう…。想像するだけで心拍数が上がるよ。



「来い」に対しては定型文で一本化すればいい。「今後の連絡は代行を通してください」で十分。本人は動かず代行に投げるだけ。これで心拍数は確実に下がる。



ほんとだ、10どころか20は下がった気がする。
よくある質問(FAQ)
- 退職代行は違法にならないのか
-
連絡代行自体は一般的な範囲。金銭交渉や法的請求は弁護士の領域。タイプ選定で回避可能。
- 即日退職は可能か
-
例外的に運用されることはあるが、民法の2週間原則を踏まえた設計が安全。返却・書類を同時に走らせる。
- 有給消化は主張できるか
-
就業規則や運用実態、時季変更権の行使状況で決まる。労働組合型や弁護士型が有利。
- アルバイト/試用期間でも依頼できるか
-
可能。契約や就業規則の確認を先に済ませるとスムーズ。
- 退職代行を使うと転職に不利か
-
基本的に不利ではない。面接では退職理由を事実ベースで簡潔に説明。代行は手段として淡々と表現。
- 家族や同僚にバレない運び方は
-
会社連絡は代行へ一本化、SNS沈黙、書類や荷物は自宅受け取り。配送は無地梱包が無難。
退職代行の注意点を実践した体験談
体験談①|20代・接客
深夜にLINEで退職代行へ相談。翌朝には労働組合型の代行が会社へ連絡し、窓口を一本化する文面を通知しました。事前に有給の一部消化を提示し、退職日と返却方法を合意。貸与物は同梱明細と追跡番号を共有して返送し、受領確認まで完了しました。離職票の記載も正確で、安心して転職活動へ移行。
👉 注意点の実践:窓口一本化、返却の証跡管理、離職票の確認。
体験談②|30代・事務
上司からの引き留め電話が毎日のように続き、民間型では抑えられず弁護士型へ切替。通話録音とメールログを提出し、会社とのやり取りは弁護士窓口へ集約しました。さらに未払い残業代の精算も含めて合意に到達。心理的負担が大幅に軽減し、ようやく落ち着いて退職できました。
👉 注意点の実践:エスカレートする場合は弁護士型を選ぶ、証拠(録音・ログ)の保全。
体験談③|40代・営業
長時間労働とパワハラで疲弊し、即日退職を希望。返却物と書類の設計を事前に固めてから通知し、同時に発送しました。会社から直接連絡があった際は定型文で受け流し、すべてのやり取りをログとして保存。有給は一部のみ消化で合意し、早期回復を優先。数週間で転職活動を再開できました。
👉 注意点の実践:返却・書類の先行準備、連絡の定型化、ログの保存。
まとめ:注意点を準備→実行→記録に落とし込む
結論
退職代行は便利な道具。安全に使う鍵は、運営主体の見極め、費用と返金の透明化、窓口一本化、証跡保全。事案の難易度に応じて弁護士型/労働組合型/民間型を選び、即日退職を狙う場合も実務設計でリスクを最小化。
・退職代行 注意点の本質は越権回避と記録化
・料金、追加、返金条件は文言の差を把握
・書類と貸与品は追跡付き、同梱明細を作成
・拒否・引き留め・損害賠償示唆は記録→弁護士連携
・迷ったら事案難易度でタイプ選定、土日深夜の運用も確認



今日の宿題は、窓口一本化の定型文と返却チェック表づくりだね。



その通り。そこに追跡番号とスクショ保存をセットにすれば完璧だ。静かに整えて、静かに着地しよう。



うん、静かに着地したら次は静かに離陸。新しい職場で再スタートだ。
・本記事は一般的な整理。個別の事情が強い場合は弁護士型や労働組合型への相談を推奨。
・SNSや口コミでの発信はリスク。退職完了まで沈黙運用が安全。
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