はじめに
退職代行を使うと退職金がもらえないかもしれないという不安で、踏み出せない方が多い状況。退職金は生活の橋渡し。制度と手順の理解が不足すると、支給遅延や減額につながる恐れがあるため注意。
辞めると決めたら退職ナビのひろは、会社員時代にブラック会社で心身をすり減らし、社会保険給付金サポートを活用して失業保険を通常より長く受給。その後、失業手当を受けながら開業届を提出し個人事業主へ。再就職手当として約200万円を得た経験から、制度の使い方と段取りに基づいた安全な退職の道案内が可能。
- 退職代行を使っても退職金を受け取れる条件
- 減額や未払いにつながる典型パターンと回避策
- 弁護士型、労働組合型、民間業者型の違い
- 受け取りまでの流れ、必要書類、期限の目安
- 退職金以外に受け取れる可能性のあるお金

ひろ、退職代行を使いたいけど…退職金が消えたらって考えると怖いよ。



心配しなくて大丈夫。退職金は就業規則と退職金規程で決まってるから、そこを確認して流れと書類を整えれば受け取れる可能性は十分ある。今日はその条件と対策を一緒に固めよう。
退職代行を使っても退職金は原則もらえる
・退職金は会社の就業規則や退職金規程に基づく社内制度。制度が存在し条件を満たせば、退職代行の利用有無は原則無関係。
・退職代行の連絡方法は手段。支給可否を左右するのは規程、勤続年数、退職理由、評価、在籍区分など。
・ただし例外あり。懲戒解雇、長期無断欠勤、重大な背信行為は、不支給や減額の対象となる恐れ。
・退職代行の利用歴を理由に退職金を一律不支給とする規程は一般的でない。規程本文で不支給要件を具体的に確認。
退職金の仕組みと受け取り条件
退職金の基本構造
- 根拠:就業規則、退職金規程、労使協定、社内制度
- 方式:確定給付型(ポイント・勤続年数連動)、確定拠出型、併用型
- 算定要素:勤続年数、等級・役職、評定、退職事由(自己都合・会社都合・懲戒)
- 支給時期:退職日からおおむね1〜3か月が目安。分割払いの社内ルールを定める会社も存在。
退職理由別の典型差異(例示)
退職事由 | 金額傾向 | 注意点 |
---|---|---|
会社都合 | 自己都合より増額傾向 | 事由の客観的整理が必要 |
自己都合 | 基準額 | 有給消化や最終出勤日の設定で実受取が変動 |
懲戒解雇 | 減額または不支給の規程が多い | 懲戒相当性の有無が焦点 |
・契約社員や嘱託社員も支給対象に含める会社あり。雇用区分の定義を規程で確認。
・退職金の前提は勤続年数。端数処理(月・日)の規定を読み、退職日の決め方を逆算。
要注意|退職代行で退職金がもらえない・減額される典型ケース
ケース | 典型原因 | 具体対策 |
---|---|---|
懲戒解雇扱い | 長期無断欠勤、重大な規程違反 | 退職意思の通知を文面で即時送付。医療意見書や事情説明を保全 |
無断欠勤状態からの急な代行連絡 | 連絡不能期間の長さで評価悪化 | 退職代行に過去の連絡履歴を共有。時刻入りで通知を記録 |
退職届未提出で書類滞留 | 社内手続き不備 | 会社指定様式の有無を確認し、署名日・退職日を正確に記載して郵送 |
会社が退職金規程を盾に減額主張 | 規程解釈の相違 | 規程本文と適用歴の確認。解釈争いは弁護士が交渉 |
物品未返却(PC・鍵等) | 返却フローの不備 | 貸与品チェックリスト同梱で返却。発送記録を保全 |
私的データ持出し・削除 | 情報管理違反 | 私物と会社資産を明確に分け、原状回復を文面で報告 |
NG行動
・口頭連絡だけで記録を残さない対応
・SNSで会社名や内部情報を発信
・貸与品の返却遅延や無断保管
退職金を確実にもらうための準備と段取り
会社の就業規則・退職金規程の確認
チェックする条項
・社内ポータル、総務、人事から閲覧可能な場合が多い。紙面はコピーや写真で保存
退職理由の整理(懲戒・自己都合・会社都合)
・退職理由の文面は簡潔で客観的に。感情表現より事実と日付。
弁護士対応・労働組合対応・民間業者の選択
違いの要点(交渉権限の整理)
種別 | 交渉範囲 | 法的請求 | 即日対応 | 向いているケース |
---|---|---|---|---|
民間業者 | 連絡代行中心 | 不可 | 多い | 規程通りの静かな退職 |
労働組合 | 団体交渉で条件改善要請が可能 | 個別の法的代理は不可 | 多い | 有給消化や引き止め対応 |
弁護士 | 個別の法的交渉・請求・和解 | 可 | 多い | 退職金減額争い、未払い、損害賠償示唆 |
・退職金の金額交渉や法的請求は弁護士が適任。労働組合は団体交渉で条件改善を求められるが、個別の法的代理とは性格が異なる。
準備リスト(印刷推奨)
項目 | 取得先 | 完了チェック |
---|---|---|
就業規則・退職金規程 | 社内ポータル/人事 | |
有給休暇残日数 | 勤怠システム/給与明細 | |
退職届(会社様式の有無) | 総務/人事 | |
貸与品リスト(PC、鍵、社員証等) | 自己確認 | |
書類送付先(退職書類の受領先) | 自宅住所・電話 | |
退職理由のメモと根拠 | 診断書/メール | |
連絡履歴(退職意思表明の記録) | メール/書面 |
おすすめ退職代行サービス25選


退職代行サービスは数多くありますが、ここでは料金、交渉力、追加サポート(転職支援・給付金サポートなど)を総合的に比較し、特におすすめの28社を紹介します。ご自分の雇用形態や状況に合わせて選んでみてください。
退職代行モームリ
- 運営:民間企業+労働組合提携
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト12,000円
- 特徴:圧倒的なシェア率を誇る大手会社。YouTubeに実例動画を公開しており、どんなやり取りが行われるのかイメージしやすいです。弁護士監修で違法リスクを避けながら、団体交渉も視野に入る組合提携が強みです。
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退職代行Jobs
- 運営:民間企業(労働組合と提携)
- 料金:27,000円前後
- 特徴:労働組合と提携しているため交渉が可能で、スピード退職にも強いです。後払いにも対応しているので、手元にお金がない方でも始めやすいです。顧問弁護士が監修しており違法リスクを回避しつつ、引越しや転職支援などのアフターフォローも充実しています。
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退職代行OITOMA(オイトマ)
- 運営:労働組合
- 料金:24,000円(追加料金なし)
- 特徴:即日退職OKで、会社との交渉も可能です。返金保証制度があるので、失敗リスクを気にせず依頼できます。有給休暇や未払い残業代の問題も相談しやすいです。
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弁護士法人みやび
- 運営:弁護士法人
- 料金:55,000円~
- 特徴:未払い給料や残業代の回収、損害賠償請求の対応など、法的に複雑なケースでも安心です。費用は高めですが、トラブルを100%回避したい場合や確実に権利を守りたい場合におすすめです。
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退職代行ニコイチ
- 運営:民間企業
- 料金:27,000円
- 特徴:創業18年以上の老舗退職代行で、実績が非常に豊富です。後払い決済や転職支援などもあり、フォローが手厚いです。会社との交渉はできませんが、急ぎでトラブルが少なそうな人に合っています。
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女性の退職代行>
- 運営:労働組合(toNEXTユニオン)
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:女性向けに特化した退職代行で、女性スタッフが丁寧に対応してくれます。職場でのセクハラやパワハラに苦しんでいる方にも安心して利用してほしいという姿勢が感じられます。
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男の退職代行
- 運営:労働組合
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:「男性専用」と銘打ち、男社会特有の人間関係や体育会系の理不尽な職場文化に苦しむ方の駆け込み寺として人気です。担当スタッフが男性寄りの目線で親身にサポートしてくれます。
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退職代行TORIKESHI(トリケシ)
- 運営:労働組合(日本労働産業ユニオン)
- 料金:25,000円
- 特徴:LINEだけで相談から退職完了までやり取りが完結します。深夜でも連絡できるので、忙しい方には助かります。有給消化の交渉や離職票の手続きも任せやすいです。
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退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
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ABAYO
- 運営:民間企業
- 料金:正社員19,800円 / アルバイト11,000円
- 特徴:低価格と退職できなかった場合の全額返金保証が魅力。正社員、パート・アルバイト、派遣社員・契約社員で料金が異なり、転職支援も提供しています。
- 公式サイト
弁護士ビーノ
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
弁護士法人ガイア
退職代行サービスのretry(リトライ)
- 運営:行政書士事務所
- 料金:アルバイト20,000円 / 正社員30,000円
- 特徴:交渉はできませんが、行政書士ならではの書類作成サポートが強みです。全額返金保証があるので「退職できなかったらどうしよう」という不安を軽減できます。
- 公式サイト
辞スル
- 運営:民間企業
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト18,000円
- 特徴:低価格が魅力で、正社員とパート・アルバイトで料金が異なります。労働組合との連携や弁護士監修がついている点も安心です。
- 公式サイト
青山北町法律事務所
ほっとライン
退職代行ゼロユニオン
- 運営:労働組合
- 料金:正社員23,980円 / アルバイト18,700円
- 特徴:新卒社員の割引がある点が特徴です。退職が完了するまで追加料金はかからず、有休や残業代の交渉にも対応できます。書類送付などもサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行プラスサービス
- 運営:民間企業
- 料金:正社員21,780円 / アルバイト16,280円
- 特徴:女性スタッフだけで運営されているため、女性が相談しやすいと評判です。交渉はできませんが、全額返金保証や転職サポートなどが手厚いです。
- 公式サイト
ヤメドキ
- 運営:民間企業
- 料金:24,000円
- 特徴:後払いシステムを特徴としています 。
- 公式サイト
フォーゲル綜合法律事務所
- 運営:弁護士
- 料金:33,000円~
- 特徴:有名弁護士が在籍しており、公務員やナイトワークでも対応可能です。会社側が損害賠償を請求してきても、法的にきちんと対処してくれます。
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退職代行あおぞらユニオン
- 運営:労働組合(あおぞらユニオン)
- 料金:12,000円~(詳細は要問い合わせ)
- 特徴:弁護士や社労士の資格を持つメンバーが複数在籍し、有給休暇や傷病手当金の手続きなどに詳しいです。低料金で団体交渉権が得られる点も評価が高いです。
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退職代行相談所(司法書士)
- 運営:司法書士・行政書士
- 料金:55,000円
- 特徴:140万円以下の未払い残業代などであれば代理請求できます。弁護士より費用が安めで、民間業者より強力な法的権限を持っています。
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退職代行やめたらええねん
- 運営:民間企業(労組提携情報あり)
- 料金:アルバイト9,800円~ / 正社員22,000円~
- 特徴:アルバイトなら1万円未満という格安料金が魅力です。交渉は難しい場合がありますが、「リピート割」などユニークな制度を設けています。
- 公式サイト
退職代行SARABA
- 運営:労働組合(SARABAユニオン)
- 料金:24,000円
- 特徴:テレビや雑誌で紹介実績が多く、知名度が高いです。有給消化交渉や残業代の請求などもしっかり代行してくれます。追加料金が発生しない一律料金も魅力です。
- 公式サイト
辞めるんです
- 運営:民間企業(LENIS Entertainment)
- 料金:27,000円
- 特徴:業界初の「後払いプラン(審査なし)」を打ち出したサービスとして有名です。会社と交渉はできませんが、退職代行が成功したあとに支払う形なので、経済的に厳しい方にはありがたいでしょう。
- 公式サイト
退職代行EXIT
- 運営:民間企業
- 料金:20,000円(一律)
- 特徴:最安級の価格設定と、業界初期からの実績が魅力です。メディア露出も豊富で、多くの方に認知されています。交渉はできませんが、単純な退職意思の伝達で十分な方には向いています。
- 公式サイト
退職代行ガーディアン
- 運営:東京労働経済組合(労働組合)
- 料金:24,800円
- 特徴:団体交渉権があるため、会社が退職を拒否しても粘り強く交渉してくれます。24時間365日相談を受け付けており、早朝や深夜でも連絡しやすいので助かる方が多いです。
- 公式サイト
【体験談】退職代行を使って退職金を受け取った3例
体験談1|長時間労働と体調悪化で自己都合退職(販売・正社員・勤続8年)
販売現場での長時間労働が続き、体調を崩してしまったAさん。民間業者の退職代行に依頼し、退職理由は「健康上の都合」とシンプルに記載しました。退職届をあらかじめ作成し、貸与品はチェックリスト付きで返送。就業規則にある退職金の支給基準を事前に確認し、1か月後の支給を見込んで家計設計を整えていたため、安心して進められました。結果は規程どおりの退職金を受領。有給休暇も一部は消化でき、残りは給与に加算。書類を時系列で整理して提出したことで、滞りなく手続きが進みました。
体験談2|パワハラと配置転換不能で会社都合扱いを交渉(制作・正社員・勤続12年)
上司からの度重なるパワハラで心身が限界に達していたBさんは、弁護士が運営する退職代行を選択。診断書や指示の記録、業務日誌を揃えて提出しました。その結果、自己都合退職から「会社都合相当」の扱いへと変更が交渉で成立。退職金も加算支給となり、支給時期も就業規則どおりに確定しました。さらに離職票の区分も適正化され、失業手当の条件も改善。法的サポートがあることで、より有利な形で退職を進められた実例です。
体験談3|無断欠勤が続きかけたが記録で回復(物流・契約社員・勤続5年)
メンタル不調で会社への連絡ができなくなりかけたCさんは、退職代行へ相談。LINEとメールで退職の意思を即時に送信し、その送信時刻を保存しました。貸与品は写真付きで原状を記録し返送。人事からの問い合わせはすべて代行が窓口となって対応しました。会社の退職金規程には契約社員も支給対象と明記されており、そのとおりの金額を受領。残された記録が「無断欠勤」と誤解されることを防ぎ、安心して退職を完了できました。
退職金以外にも受け取れるお金
項目別の確認ポイント
項目 | 受け取り条件 | 事前準備 |
---|---|---|
有給休暇の買取・消化 | 社内の運用による。消化優先が基本 | 残日数の確認、申請希望日の提示 |
未払い残業代 | 実労働時間の記録 | 勤怠データ、指示メッセージの保存 |
最終給与・賞与 | 在職要件、査定基準 | 就業規則の該当条文を確認 |
失業手当(雇用保険) | 受給手続き | 離職票の早期発行依頼 |
慰謝料・損害賠償等 | 事実と証拠の有無 | 弁護士相談、証拠保全 |
・賞与は在職要件の規定が多い。基準日と退職日の関係を就業規則で確認。
・未払い残業代は客観記録が鍵。スクリーンショット、メール、入退館記録などをセットで保存。
受け取りまでの流れと時限管理
全体の時系列イメージ
段階 | 主なタスク | 期限目安 |
---|---|---|
事前 | 規程確認、証拠保全、退職届作成 | 依頼前〜当日 |
依頼 | 退職代行へ必要情報共有、窓口一本化 | 即日 |
会社連絡 | 退職意思通知、出社不要調整、有給の扱い確認 | 即日〜翌営業日 |
書類 | 退職届郵送、貸与品返却、離職票依頼 | 1週間以内 |
受取 | 退職金の支給(振込)、最終給与、源泉徴収票受領 | 退職後1〜3か月 |
公的手続き | 雇用保険、健康保険、年金の切り替え | 退職後速やかに |
・時限管理はカレンダーに落とし込み。遅延の芽を可視化。
・支給日が規程で定められている場合は、その日付を家計計画へ反映。
よくある質問(FAQ)
まとめ|退職代行でも退職金は受け取れる
- 退職代行の利用は退職金の支給可否と原則無関係。判断軸は就業規則・退職金規程。
- 減額・不支給につながる典型は懲戒、長期無断欠勤、手続き不備。記録と書面で回避。
- 退職理由は客観的に整理。会社都合相当が見込める場合は根拠を準備。
- 退職金の金額交渉や法的請求は弁護士が担当。労働組合は団体交渉で条件改善を要請可能。
- 準備リスト、返却チェックリスト、期限管理で支給遅延を防止。



段取りが見えたら退職金への不安がだいぶ薄れたよ。今夜は規程を読み直して書類をそろえるつもり。



いい流れだ。その規程と記録が一番の味方になる。退職代行の選び方も状況に合わせれば安心だし、退職金の受け取りまで一緒に走り切ろう。



ありがとう。最後まで伴走してくれるって思うと心強いよ。
・本文は一般的な制度と流れの解説。個別の退職金規程や雇用区分で扱いが異なるため、実際の手続きは社内規程と専門家の指示に沿って進める。
・トラブルの兆候がある場合、早期に弁護士対応の退職代行へ相談。
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