はじめに
退職代行は便利だが、リスクやトラブルが気になって踏み出せない人が多い状況。違法ではないのか、会社に損害賠償を請求されないか、転職に不利にならないか。疑問が重なると動けなくなる。結論は、仕組みを理解して準備すれば大部分のリスクは抑えられる。
・退職代行の主なリスクと発生しやすいトラブル
・弁護士、労働組合、一般業者の対応範囲の違い
・有給、未払い、損害賠償リスクの回避方法
・申込みから退職完了までの流れとチェックリスト
ひろは会社員時代にブラック企業で消耗し、社会保険給付金サポートを活用して失業保険の受給期間を確保。その後、失業手当を受けながら開業届を出して個人事業主となり、再就職手当の約200万円を受給。制度と段取りを実務で使い切った経験をもとに案内。

退職代行ってリスクだらけって聞くと、僕の心拍数がドクドク上がるんだ…。



上がるのは評価だけでいい(笑)。押さえるポイントは三つだよ――運営主体は誰か、できることの範囲、そして証跡を残すこと。



証跡って、写真とか送信履歴のこと?



それで十分。小さく始めて、大きく守るんだ。
退職代行のリスクとは何か
起こりやすい失敗
- 就業規則や雇用契約の退職条項を読まずに申込み
- 有給休暇の消化方針を伝え忘れて未消化のまま終了
- 貸与品や私物の返却が遅れ、会社と連絡が混線
- 連絡経路の一本化ができず、上司から直電が続く
- 証跡を残さず、言った言わないの泥沼
結論
リスクはゼロにはならないが、事前準備と業者選びで大幅に低減。交渉が絡むなら弁護士か労働組合を選ぶのが安全。
・退職の意思表示は労働者の権利。退職代行サービスは意思伝達の支援が中心
・退職日の起算は申入れから原則2週間の運用が多い
法的リスクの正体|弁護士・労働組合・一般業者の違い
区分 | できること | できないこと | 料金相場 | 向くケース |
---|---|---|---|---|
一般業者 | 退職意思の伝達、窓口一本化、書類連絡 | 法的交渉、法律相談 | 2〜3万円台 | 速度重視、トラブル軽微 |
労働組合 | 団体交渉(有給や条件調整)、連絡窓口 | 訴訟対応、個別法律相談 | 2.4〜3万円台 | 有給や条件の交渉が必要 |
弁護士 | 法的交渉、未払い請求、内容証明、損害賠償対応 | 交渉範囲の制限なし | 5〜8万円前後〜 | 懲戒・請求・高難度案件 |
注意点
・交渉をほのめかす一般業者は非弁リスク。回避が無難
・法律助言と和解交渉は弁護士の領域。線引きの理解が必要
・有給や未払い賃金の請求は、証拠保全が先。給与明細、タイムカード、シフト表、チャット履歴を退職前に確保
実際に多いトラブル事例と回避策
- 事例1 有給の伝達漏れ
-
・原因:申込み時に残日数と取得方針を共有せず
・回避策:有給残を確認し、消化希望を文面テンプレに含める - 事例2 未払い残業・給与の不安
-
・原因:証拠の未保存、相談窓口が不明確
・回避策:証拠保全→労働組合または弁護士ルートで請求を設計 - 事例3 連絡不通・連携不全
-
・原因:窓口一本化の通知が曖昧
・回避策:会社への伝達項目に窓口一本化を明記。再通知は内容証明で実施 - 事例4 損害賠償の不安
-
・原因:引き継ぎメモ無し、貸与品返却の遅延、機密の管理不足
・回避策:最低限の引き継ぎメモ、追跡番号付き返送、機密削除の証跡を保存
・多くの紛争は記録の有無で難度が変わる。言い分より証拠
リスクを最小化する退職代行の選び方
選定チェックリスト
- 運営主体の透明性(法人名、所在地、責任者、連絡先複数)
- 対応範囲の明記(交渉可否、弁護士/労組/一般の別)
- 料金の明瞭性(総額、追加費用、返金規定、深夜対応の有無)
- 対応品質(24時間、即日、返信速度、説明の丁寧さ)
- 実績と規約(口コミの偏り、利用規約、プライバシーポリシー)
NG行動
- 口約束だけで申込み
- 返金条件と支払い期日の未確認
- 交渉を一般業者に期待
・不安が強い、会社が強硬姿勢、懲戒の懸念がある。最初から弁護士型一択
おすすめ退職代行サービス25選


退職代行サービスは数多くありますが、ここでは料金、交渉力、追加サポート(転職支援・給付金サポートなど)を総合的に比較し、特におすすめの28社を紹介します。ご自分の雇用形態や状況に合わせて選んでみてください。
退職代行モームリ
- 運営:民間企業+労働組合提携
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト12,000円
- 特徴:圧倒的なシェア率を誇る大手会社。YouTubeに実例動画を公開しており、どんなやり取りが行われるのかイメージしやすいです。弁護士監修で違法リスクを避けながら、団体交渉も視野に入る組合提携が強みです。
- 公式サイト
退職代行Jobs
- 運営:民間企業(労働組合と提携)
- 料金:27,000円前後
- 特徴:労働組合と提携しているため交渉が可能で、スピード退職にも強いです。後払いにも対応しているので、手元にお金がない方でも始めやすいです。顧問弁護士が監修しており違法リスクを回避しつつ、引越しや転職支援などのアフターフォローも充実しています。
- 公式サイト
退職代行OITOMA(オイトマ)
- 運営:労働組合
- 料金:24,000円(追加料金なし)
- 特徴:即日退職OKで、会社との交渉も可能です。返金保証制度があるので、失敗リスクを気にせず依頼できます。有給休暇や未払い残業代の問題も相談しやすいです。
- 公式サイト
弁護士法人みやび
- 運営:弁護士法人
- 料金:55,000円~
- 特徴:未払い給料や残業代の回収、損害賠償請求の対応など、法的に複雑なケースでも安心です。費用は高めですが、トラブルを100%回避したい場合や確実に権利を守りたい場合におすすめです。
- 公式サイト
退職代行ニコイチ
- 運営:民間企業
- 料金:27,000円
- 特徴:創業18年以上の老舗退職代行で、実績が非常に豊富です。後払い決済や転職支援などもあり、フォローが手厚いです。会社との交渉はできませんが、急ぎでトラブルが少なそうな人に合っています。
- 公式サイト
女性の退職代行>
- 運営:労働組合(toNEXTユニオン)
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:女性向けに特化した退職代行で、女性スタッフが丁寧に対応してくれます。職場でのセクハラやパワハラに苦しんでいる方にも安心して利用してほしいという姿勢が感じられます。
- 公式サイト
男の退職代行
- 運営:労働組合
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:「男性専用」と銘打ち、男社会特有の人間関係や体育会系の理不尽な職場文化に苦しむ方の駆け込み寺として人気です。担当スタッフが男性寄りの目線で親身にサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行TORIKESHI(トリケシ)
- 運営:労働組合(日本労働産業ユニオン)
- 料金:25,000円
- 特徴:LINEだけで相談から退職完了までやり取りが完結します。深夜でも連絡できるので、忙しい方には助かります。有給消化の交渉や離職票の手続きも任せやすいです。
- 公式サイト
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
ABAYO
- 運営:民間企業
- 料金:正社員19,800円 / アルバイト11,000円
- 特徴:低価格と退職できなかった場合の全額返金保証が魅力。正社員、パート・アルバイト、派遣社員・契約社員で料金が異なり、転職支援も提供しています。
- 公式サイト
弁護士ビーノ
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
弁護士法人ガイア
退職代行サービスのretry(リトライ)
- 運営:行政書士事務所
- 料金:アルバイト20,000円 / 正社員30,000円
- 特徴:交渉はできませんが、行政書士ならではの書類作成サポートが強みです。全額返金保証があるので「退職できなかったらどうしよう」という不安を軽減できます。
- 公式サイト
辞スル
- 運営:民間企業
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト18,000円
- 特徴:低価格が魅力で、正社員とパート・アルバイトで料金が異なります。労働組合との連携や弁護士監修がついている点も安心です。
- 公式サイト
青山北町法律事務所
ほっとライン
退職代行ゼロユニオン
- 運営:労働組合
- 料金:正社員23,980円 / アルバイト18,700円
- 特徴:新卒社員の割引がある点が特徴です。退職が完了するまで追加料金はかからず、有休や残業代の交渉にも対応できます。書類送付などもサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行プラスサービス
- 運営:民間企業
- 料金:正社員21,780円 / アルバイト16,280円
- 特徴:女性スタッフだけで運営されているため、女性が相談しやすいと評判です。交渉はできませんが、全額返金保証や転職サポートなどが手厚いです。
- 公式サイト
ヤメドキ
- 運営:民間企業
- 料金:24,000円
- 特徴:後払いシステムを特徴としています 。
- 公式サイト
フォーゲル綜合法律事務所
- 運営:弁護士
- 料金:33,000円~
- 特徴:有名弁護士が在籍しており、公務員やナイトワークでも対応可能です。会社側が損害賠償を請求してきても、法的にきちんと対処してくれます。
- 公式サイト
退職代行あおぞらユニオン
- 運営:労働組合(あおぞらユニオン)
- 料金:12,000円~(詳細は要問い合わせ)
- 特徴:弁護士や社労士の資格を持つメンバーが複数在籍し、有給休暇や傷病手当金の手続きなどに詳しいです。低料金で団体交渉権が得られる点も評価が高いです。
- 公式サイト
退職代行相談所(司法書士)
- 運営:司法書士・行政書士
- 料金:55,000円
- 特徴:140万円以下の未払い残業代などであれば代理請求できます。弁護士より費用が安めで、民間業者より強力な法的権限を持っています。
- 公式サイト
退職代行やめたらええねん
- 運営:民間企業(労組提携情報あり)
- 料金:アルバイト9,800円~ / 正社員22,000円~
- 特徴:アルバイトなら1万円未満という格安料金が魅力です。交渉は難しい場合がありますが、「リピート割」などユニークな制度を設けています。
- 公式サイト
退職代行SARABA
- 運営:労働組合(SARABAユニオン)
- 料金:24,000円
- 特徴:テレビや雑誌で紹介実績が多く、知名度が高いです。有給消化交渉や残業代の請求などもしっかり代行してくれます。追加料金が発生しない一律料金も魅力です。
- 公式サイト
辞めるんです
- 運営:民間企業(LENIS Entertainment)
- 料金:27,000円
- 特徴:業界初の「後払いプラン(審査なし)」を打ち出したサービスとして有名です。会社と交渉はできませんが、退職代行が成功したあとに支払う形なので、経済的に厳しい方にはありがたいでしょう。
- 公式サイト
退職代行EXIT
- 運営:民間企業
- 料金:20,000円(一律)
- 特徴:最安級の価格設定と、業界初期からの実績が魅力です。メディア露出も豊富で、多くの方に認知されています。交渉はできませんが、単純な退職意思の伝達で十分な方には向いています。
- 公式サイト
退職代行ガーディアン
- 運営:東京労働経済組合(労働組合)
- 料金:24,800円
- 特徴:団体交渉権があるため、会社が退職を拒否しても粘り強く交渉してくれます。24時間365日相談を受け付けており、早朝や深夜でも連絡しやすいので助かる方が多いです。
- 公式サイト
申込みから退職完了までの流れと注意点
ステップ | 内容 | コツ |
---|---|---|
1 相談 | LINEや電話で状況共有 | 上司の対応、有給残、体調、退職希望日を整理 |
2 契約 | 料金、返金、後払い/分割の条件確認 | 契約書を保存。総額と期日を確定 |
3 情報提供 | 勤務先情報、書類送付先、連絡手段 | 窓口一本化と緊急連絡先を明記 |
4 会社連絡 | 代行が退職意思を通知 | 有給取得方針と最終出社日の扱いを同時に伝達 |
5 往復 | 離職票や源泉徴収票の受領、貸与品返却 | 追跡番号と写真で証跡化 |
6 完了・精算 | 退職確定後に支払い | 給料日や給付金入金と同期 |
・退職届は日付、宛先、氏名の自署を基本にシンプルで作成
・貸与品は同梱リストを作り、配送伝票を撮影
・SNSで感情的な発信は控える。火種になりやすい
支払い方法の整理
支払い方法 | 手元資金 | 即日対応 | 期日 | 向く人 | 注意点 |
---|---|---|---|---|---|
前払い | 必要 | 高い | 申込み時 | 今すぐ払える | 資金繰りに注意 |
後払い | 不要 | 非常に高い | 完了後や給料日後 | 今お金がない | 期日厳守、審査の可能性 |
分割 | 少額で開始 | 高い | 月次精算 | 一括が厳しい | 手数料と回数上限を確認 |
・後払いは安心材料だが、延滞は信頼低下の原因。期日管理を徹底
よくある質問(FAQ)
【体験談】退職代行のリスクに向き合った三つのケース
ケース1|20代・接客業
職場の人間関係が悪化し、心身ともに限界に。労働組合型の退職代行へ相談すると、会社との窓口一本化と有給消化の方針を合意できました。引き継ぎは最低限として、在庫管理表とレジ操作マニュアルの保存場所だけを共有。貸与品は追跡番号付きで返送し、未払いの心配もなく静かに退職が完了しました。その後は顧客対応の経験を活かし、別業界へと転職。大きなトラブルに発展せずに済んだのは安心でした。
ケース2|30代・製造業
夜勤と長時間残業で睡眠障害を抱え、即日退職を決意。後払い対応の一般業者を利用し、その日のうちに会社への連絡を実施しました。引き継ぎは工程表と安全手順の要点をメモ化し、工具や鍵は同梱リストを付けて返送。上司からの直電もすべて代行に集約され、直接対応する必要はなし。さらに内容証明の文面まで準備されていたため、トラブルに発展せず退職が完了しました。費用は給料日後に期日通り支払い。リスクを意識していたからこそ、安心できたと振り返っています。
ケース3|40代・介護職
慢性的な人手不足で連勤が続き、未払い残業の不安も重なっていました。弁護士型の退職代行を選択し、引き継ぎには申し送りノートの保管場所・夜間連絡先・医療対応の注意点を要約して提出。未払い賃金については証拠を保全したうえで請求ルートを設計しました。最終的に和解金なしで退職が成立し、心身の回復を最優先に。退職後は日勤中心の事業所へ転職し、安心できる生活リズムを取り戻しました。
まとめ|退職代行のリスクは設計で抑えられる
結論
退職代行のリスクは、運営主体の選定と証跡化で大幅に低減。交渉の要否で弁護士・労働組合・一般を正しく選び、契約条件と支払い条件を明文化すれば、静かに退職へ進める。
・主なリスクは準備不足と選び方の誤り
・交渉は弁護士か労働組合。一般は伝達に特化
・有給、未払い、貸与品は最初に方針を決めて伝える
・窓口一本化、書面と履歴の保存で言い分より証拠
・後払い・分割は期日管理と総額確認が必須
・迷ったら弁護士型から検討



今日、退職代行のリスク地図が頭に入ったよ。これなら僕でも迷わず進めそうだ。



進めるさ。あとはおすすめ25選から無料相談すればいい。証跡・返却・連絡、この三点は僕が一緒にチェックするから安心して進もう。



うん、地図と伴走者がいるなら心強いな。
・契約前に総額、追加費用、返金条件、支払い期日を必ず確認
・退職届、貸与品リスト、配送伝票の写真を保存
・SNSでの感情的な投稿は控える。火種になりがち
注意点
・本記事は一般情報の提供。具体的な法律判断や交渉は弁護士に相談
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