はじめに
退職代行を使うと会社に訴えられるのではないか、損害賠償を請求されるのではないか。強い不安で身動きが止まる状況。結論から言えば、訴訟に発展するケースは多くないが、完全にゼロではない。成立条件を理解し、回避策を実行すればリスクは大きく下げられる。
・退職代行で訴えられるケースの成立条件と回避のコツ
・損害賠償を主張されやすい典型パターンと成否の分岐
・安全な使い方のチェックリストと連絡テンプレート
・弁護士型・労働組合型・民間型の違いと選び方
・実際の流れ、必要な準備、返却物と書類の扱い
辞めると決めたら退職ナビのひろは、会社員時代にブラックな職場で心身を削られ、社会保険給付金サポートを活用して失業保険を通常より長く受給。その後、失業手当を受けながら開業届を出し個人事業主となり、再就職手当として約200万円を受給。制度を使い倒して脱出した実体験を土台に、実務で機能する段取りを解説。

退職代行を使いたいんだけど、もし訴えられたらって考えると胃がキュッとなる…。僕、心がもやしだから。



もやしは強いぞ。火を通すと甘みが出る(笑)。真面目な話、条件を外さなければ訴訟になるケースはかなりレアだよ。大事なのは手順を整理して、証跡をちゃんと残すこと。そうすれば安全圏に寄せられる。
先に結論|退職代行で「訴えられる」はレア。
要点
・退職の意思表示は労働者の自由。民法の運用上、退職日の取り扱いは原則として申入れからおおむね2週間が目安。
・損害賠償の成立には、具体的損害の発生、因果関係、故意または過失の立証が必要。単なる不快感や抽象的な迷惑だけでは足りない。
・社用データの持ち出し、勝手な削除や初期化
・長期の無断欠勤の後に音信不通
・SNSでの攻撃的発信や機密の漏えい
・退職代行の連絡で出社は不要になっても、書類・貸与品の往復と最低限の情報提供は郵送・データで完結可能。証跡の保存が盾。
おすすめ退職代行サービス25選


退職代行サービスは数多くありますが、ここでは料金、交渉力、追加サポート(転職支援・給付金サポートなど)を総合的に比較し、特におすすめの28社を紹介します。ご自分の雇用形態や状況に合わせて選んでみてください。
退職代行モームリ
- 運営:民間企業+労働組合提携
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト12,000円
- 特徴:圧倒的なシェア率を誇る大手会社。YouTubeに実例動画を公開しており、どんなやり取りが行われるのかイメージしやすいです。弁護士監修で違法リスクを避けながら、団体交渉も視野に入る組合提携が強みです。
- 公式サイト
退職代行Jobs
- 運営:民間企業(労働組合と提携)
- 料金:27,000円前後
- 特徴:労働組合と提携しているため交渉が可能で、スピード退職にも強いです。後払いにも対応しているので、手元にお金がない方でも始めやすいです。顧問弁護士が監修しており違法リスクを回避しつつ、引越しや転職支援などのアフターフォローも充実しています。
- 公式サイト
退職代行OITOMA(オイトマ)
- 運営:労働組合
- 料金:24,000円(追加料金なし)
- 特徴:即日退職OKで、会社との交渉も可能です。返金保証制度があるので、失敗リスクを気にせず依頼できます。有給休暇や未払い残業代の問題も相談しやすいです。
- 公式サイト
弁護士法人みやび
- 運営:弁護士法人
- 料金:55,000円~
- 特徴:未払い給料や残業代の回収、損害賠償請求の対応など、法的に複雑なケースでも安心です。費用は高めですが、トラブルを100%回避したい場合や確実に権利を守りたい場合におすすめです。
- 公式サイト
退職代行ニコイチ
- 運営:民間企業
- 料金:27,000円
- 特徴:創業18年以上の老舗退職代行で、実績が非常に豊富です。後払い決済や転職支援などもあり、フォローが手厚いです。会社との交渉はできませんが、急ぎでトラブルが少なそうな人に合っています。
- 公式サイト
女性の退職代行>
- 運営:労働組合(toNEXTユニオン)
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:女性向けに特化した退職代行で、女性スタッフが丁寧に対応してくれます。職場でのセクハラやパワハラに苦しんでいる方にも安心して利用してほしいという姿勢が感じられます。
- 公式サイト
男の退職代行
- 運営:労働組合
- 料金:正社員25,800円 / パート18,800円
- 特徴:「男性専用」と銘打ち、男社会特有の人間関係や体育会系の理不尽な職場文化に苦しむ方の駆け込み寺として人気です。担当スタッフが男性寄りの目線で親身にサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行TORIKESHI(トリケシ)
- 運営:労働組合(日本労働産業ユニオン)
- 料金:25,000円
- 特徴:LINEだけで相談から退職完了までやり取りが完結します。深夜でも連絡できるので、忙しい方には助かります。有給消化の交渉や離職票の手続きも任せやすいです。
- 公式サイト
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
ABAYO
- 運営:民間企業
- 料金:正社員19,800円 / アルバイト11,000円
- 特徴:低価格と退職できなかった場合の全額返金保証が魅力。正社員、パート・アルバイト、派遣社員・契約社員で料金が異なり、転職支援も提供しています。
- 公式サイト
弁護士ビーノ
退職代行リーガルジャパン
- 運営:労働組合
- 料金:27,000円
- 特徴:転職支援や失業保険の申請代行まで幅広くサポートしています。会社への連絡をすべて代行してくれるので、まったく顔を合わせずに済む方も多いです。
- 公式サイト
弁護士法人ガイア
退職代行サービスのretry(リトライ)
- 運営:行政書士事務所
- 料金:アルバイト20,000円 / 正社員30,000円
- 特徴:交渉はできませんが、行政書士ならではの書類作成サポートが強みです。全額返金保証があるので「退職できなかったらどうしよう」という不安を軽減できます。
- 公式サイト
辞スル
- 運営:民間企業
- 料金:正社員22,000円 / アルバイト18,000円
- 特徴:低価格が魅力で、正社員とパート・アルバイトで料金が異なります。労働組合との連携や弁護士監修がついている点も安心です。
- 公式サイト
青山北町法律事務所
ほっとライン
退職代行ゼロユニオン
- 運営:労働組合
- 料金:正社員23,980円 / アルバイト18,700円
- 特徴:新卒社員の割引がある点が特徴です。退職が完了するまで追加料金はかからず、有休や残業代の交渉にも対応できます。書類送付などもサポートしてくれます。
- 公式サイト
退職代行プラスサービス
- 運営:民間企業
- 料金:正社員21,780円 / アルバイト16,280円
- 特徴:女性スタッフだけで運営されているため、女性が相談しやすいと評判です。交渉はできませんが、全額返金保証や転職サポートなどが手厚いです。
- 公式サイト
ヤメドキ
- 運営:民間企業
- 料金:24,000円
- 特徴:後払いシステムを特徴としています 。
- 公式サイト
フォーゲル綜合法律事務所
- 運営:弁護士
- 料金:33,000円~
- 特徴:有名弁護士が在籍しており、公務員やナイトワークでも対応可能です。会社側が損害賠償を請求してきても、法的にきちんと対処してくれます。
- 公式サイト
退職代行あおぞらユニオン
- 運営:労働組合(あおぞらユニオン)
- 料金:12,000円~(詳細は要問い合わせ)
- 特徴:弁護士や社労士の資格を持つメンバーが複数在籍し、有給休暇や傷病手当金の手続きなどに詳しいです。低料金で団体交渉権が得られる点も評価が高いです。
- 公式サイト
退職代行相談所(司法書士)
- 運営:司法書士・行政書士
- 料金:55,000円
- 特徴:140万円以下の未払い残業代などであれば代理請求できます。弁護士より費用が安めで、民間業者より強力な法的権限を持っています。
- 公式サイト
退職代行やめたらええねん
- 運営:民間企業(労組提携情報あり)
- 料金:アルバイト9,800円~ / 正社員22,000円~
- 特徴:アルバイトなら1万円未満という格安料金が魅力です。交渉は難しい場合がありますが、「リピート割」などユニークな制度を設けています。
- 公式サイト
退職代行SARABA
- 運営:労働組合(SARABAユニオン)
- 料金:24,000円
- 特徴:テレビや雑誌で紹介実績が多く、知名度が高いです。有給消化交渉や残業代の請求などもしっかり代行してくれます。追加料金が発生しない一律料金も魅力です。
- 公式サイト
辞めるんです
- 運営:民間企業(LENIS Entertainment)
- 料金:27,000円
- 特徴:業界初の「後払いプラン(審査なし)」を打ち出したサービスとして有名です。会社と交渉はできませんが、退職代行が成功したあとに支払う形なので、経済的に厳しい方にはありがたいでしょう。
- 公式サイト
退職代行EXIT
- 運営:民間企業
- 料金:20,000円(一律)
- 特徴:最安級の価格設定と、業界初期からの実績が魅力です。メディア露出も豊富で、多くの方に認知されています。交渉はできませんが、単純な退職意思の伝達で十分な方には向いています。
- 公式サイト
退職代行ガーディアン
- 運営:東京労働経済組合(労働組合)
- 料金:24,800円
- 特徴:団体交渉権があるため、会社が退職を拒否しても粘り強く交渉してくれます。24時間365日相談を受け付けており、早朝や深夜でも連絡しやすいので助かる方が多いです。
- 公式サイト
会社に訴えられる・損害賠償を主張される典型パターン
事例と成否の分岐を表で把握。
典型パターン | 会社側の主張 | 成否の分岐ポイント | 予防策 |
---|---|---|---|
長期の無断欠勤の後に退職代行 | 業務停止による損害 | 欠勤の経緯、体調記録、引き継ぎ有無、具体損害の有無 | 医療機関の証明や連絡記録、最小限の引き継ぎメモ |
端末や書類の未返却 | 物的損害、情報資産の毀損 | 返却依頼後の対応速度、追跡番号、受領証跡 | 返送は追跡付き、写真撮影、同梱リスト |
重要プロジェクトからの即日離脱 | 信用失墜、違約金 | 代替要員の確保可能性、不可欠性の立証 | 進捗・締切・連絡先の共有、代替案の提示 |
機密漏えい・競業避止義務違反 | 実害の発生 | 契約条項の範囲・期間と妥当性、実害 | 条項確認、データの適正処理、相談窓口の一本化 |
・多くは示談または任意解決で収束。記録の積み上げと誠実な返却・整理で優位に運べる。
法的リスクを下げる使い方|事前準備と連絡テンプレ
準備チェックリスト(保存推奨)
項目 | 目的 | 実務ポイント |
---|---|---|
就業規則・雇用契約の確認 | ルールの把握 | 退職条項、引き継ぎ・機密・競業条項の有無 |
引き継ぎメモの作成 | 業務停止の回避 | 案件一覧、未完タスク、締切、共有フォルダの場所、主要連絡先 |
貸与品・書類の棚卸し | 返却漏れの防止 | PC・スマホ・社員証・鍵・健康保険証・制服・通勤定期 |
返却方法の決定 | 証跡化 | レターパック等の追跡型、内容物写真、同梱リスト |
書類の受領方法 | 期限管理 | 離職票・源泉徴収票・退職金の支給時期、送付先の明記 |
連絡経路の整理 | 連絡ノイズの遮断 | 退職代行を窓口化、会社への直接連絡は不要化 |
・パスワード自体は送らず、管理ツールの保管場所と取得手順のみ記載。
・個人情報を含む資料は会社規程に合わせて扱う。
会社への伝言テンプレ(退職代行経由で送付)
退職の意思表示および最終出社日は以下の通り。
・退職希望日:〇月〇日申入れ、社内運用に従い最短期日での退職手続きの進行を希望
・貸与品返却:同梱リスト記載、追跡番号は〇〇
・書類送付先:〒〇〇〇−〇〇〇〇 住所 氏名
・連絡窓口:以後のやり取りは退職代行(連絡先)へ
・引き継ぎ資料:共有ストレージのパス/メモPDF添付
・体調不良やハラスメントが背景の場合、診断書や被害の記録が防御力を高める。
種別の違い|弁護士・労働組合・民間の比較
区分 | 交渉権限 | 想定費用相場 | 強み | 向いているケース | 向かないケース |
---|---|---|---|---|---|
弁護士 | 法的交渉・示談・内容証明・訴訟まで可能 | 5〜8万円〜 | 法的リスクへの即応 | 損害賠償・懲戒・未払い賃金 | 価格最優先のみ |
労働組合 | 団体交渉が可能 | 2.5〜3万円 | 有給・条件交渉に強い | 有給消化や条件調整 | 訴訟前提の紛争 |
民間 | 伝達のみ | 2万円前後 | 速度と手軽さ | 連絡窓口の一本化が目的 | 交渉・紛争懸念が強い案件 |
・交渉が絡むなら弁護士または労働組合。民間型のみでの交渉は非弁行為リスクが生じるため不可。
退職代行の流れとスケジュール感
期間 | 主な動き | 具体タスク |
---|---|---|
当日〜翌営業日 | 退職の意思通知 | 退職代行へ申込み、会社へ通知、直接連絡の停止 |
1〜3日目 | 情報整理 | 引き継ぎメモ作成、共有リンク一覧、返却物の梱包 |
4〜7日目 | 返送・受領確認 | 追跡型で返送、番号共有、受領確認の記録 |
8〜14日目 | 書類受領 | 離職票・源泉徴収票の受領、内容確認 |
15日目以降 | 完了・次の準備 | 求職活動、失業給付の手続き、記録の保管 |
・民法の運用上、退職日の扱いは申入れからおおむね2週間が基準となる運用が多い。期間中に返却と書類の往復を完了。
・体調が厳しい場合は作業を小分けにし、退職代行に期限フォローを依頼。



引き継ぎメモ、完璧に書ける自信がないんだ…。僕、国語より図工が得意だからさ。



それで十分。図工の発想が最強なんだよ。場所・期限・連絡先、この三点を骨にして、あとは写真やスクショで補強すればいい。追跡番号は盾、梱包写真は鎧になる。



盾と鎧があるなら、僕のメモも戦える気がしてきた(笑)。
注意点・NG行動・小ワザまとめ
・退職届や返却物の送付は配達記録付き。受領日がずれると後の手続きが遅延。
・社用PCやスマホの初期化は指示があるまで待機。証跡を残せない初期化は誤解の原因。
・外部への不必要な接触やSNSでの感情的発信は控える。
・共有フォルダの削除、文書の破棄、勝手な持ち出し
・貸与品の一部だけ返却して残りを放置
・会社からの返送指示を無視
よくある質問(FAQ)
- 退職代行を使っただけで訴えられることはあるか
-
使用自体は違法ではない。損害賠償は具体的損害と因果関係の立証が必要。引き継ぎメモと返却の証跡でリスクを下げられる。
- 会社から損害賠償の連絡が来た場合の初動
-
内容証明の有無、損害の具体性、因果関係の主張を確認。弁護士対応の退職代行または弁護士へ窓口を一本化。
- 即日退職は可能か
-
即日出社不要は可能なケースが多いが、退職日の取り扱いは申入れからおおむね2週間の運用が一般的。書類と返却の段取りを先行させる。
- 引き継ぎができないほど体調が悪い
-
案件一覧・未完タスク・ファイル保管場所・主要連絡先の四点に絞った最小メモで十分。診断書があると事情説明の裏付けになる。
- 退職代行を使ったことは転職先に伝えるべきか
-
履歴書に記載は不要。退職理由は一身上の都合で足りる。前向きな転職理由を用意。
【体験談】 三者三様のケース
体験談1|24歳・飲食チェーン
人員不足による連勤で睡眠障害を発症し、退職代行に相談しました。即日で会社との連絡が代行窓口に切り替わり、引き継ぎは最低限として「発注締切」「在庫表の場所」「緊急連絡先」をメモ化。制服と鍵は追跡番号付きで返送し、同梱リストと写真を保管しました。離職票も期日内に届き、損害賠償といった話は一切なし。静養を経て倉庫管理の仕事へ転身できました。「訴えられるかもしれない」と不安だったものの、実際はトラブルなく終えられたケースです。
体験談2|31歳・広告制作
深夜残業と叱責が日常化していた私は、弁護士型の退職代行を選びました。引き継ぎメモには「クライアント別フォルダの場所」「入稿カレンダー」「ベンダー連絡先」を整理。社用Macはシリアル番号と外観写真を添えて返送しました。未払い残業代についても同じ窓口で相談し、内容証明を通じて決着。訴訟に発展することなく解決し、安心して次のキャリアへ進むことができました。
体験談3|38歳・情報システム
基幹システムの夜間運用で疲弊し、労働組合型の退職代行を利用しました。有給休暇の取り扱いを交渉してもらい、引き継ぎには「システム構成図」「監視閾値」「ベンダー窓口」をまとめました。特権アカウントは「管理台帳の所在」のみを記載。返却物の不足を指摘されたものの、梱包写真を提出して誤解を解消しました。結果は円満退職で、すぐに次の内定も獲得。法的トラブルを心配していたものの、落ち着いた流れで終えられました。
まとめ|結論は「証跡で守る。交渉はプロに任せる」
・退職代行で訴えられるケースはレア。成立には具体的損害・因果関係・過失の立証が要件。
・安全策の柱は、引き継ぎメモ、貸与品・書類の適正返却、全行程の証跡化。
・交渉や紛争の兆候がある場合は弁護士対応、条件調整は労働組合、連絡停止が主目的なら民間型が適合。
・民法運用上の期間を意識し、2週間前後のスケジュールで手続きを設計。
・体調最優先。最小限の引き継ぎと退職代行のフォローで負担を圧縮。



証跡が盾で、引き継ぎメモが鎧…。なんかゲームみたいでちょっと楽しくなってきた。



ラスボスは不安だ。装備が揃えば怖くない。次は休息と次の一歩の設計――それでクリアできる。



じゃあ僕、まずはしっかり寝る。昼寝もセットで(笑)。
・本記事は一般的な整理。就業規則や契約内容、健康状態で最適解は変わる。紛争リスクや請求の兆候がある場合は、弁護士対応の退職代行や弁護士へ早めの相談が安全。
コメント